
ナジア・ウサリ、ベイルート
レバノンの 3人の弁護士は、自動車業界の大物実業家で逃亡中のカルロス・ゴーン氏を日産自動車のCEOとしてイスラエルを訪問した罪で告訴した。
弁護士のジャド・トーメ氏は、2人の同僚であるハッサン・バッツィ氏とアリ・アッバス氏とともに、追放された日産自動車の元社長を、契約書に署名し会議に出席するためにイスラエルを訪問したことで、レバノンの法律に違反したとして起訴することを要請する報告書を提出した。
ゴーン氏は、金融不正行為で裁判を受ける予定であった日本からの逃亡後、日曜日の夜、レバノンに到着した。
金曜日、3人の弁護士は、 告訴に対する検察の決定を待っていた。
一方、レバノンは、インターポール(国際刑事警察機構)からゴーン氏逮捕のための「赤手配書(国際逮捕手配書)」を受け取っている。
この手配書は、レバノンの国内治安部隊が木曜日に受け取ったもので、まだ司法当局には付託されていない。
3人の弁護士が提出した告訴状について、司法関係者はアラブニュースに対し、ゴーン氏は「レバノン国民ではなく、世界最大の自動車メーカーの 1 社を率いていた時にフランスのパスポートを使ってイスラエルに入国した」と語った。
「私たちは、ゴーン氏が 2012年にイスラエルに最初に入国し、最後に訪問したのは2017年であったとの報道に基づいて告訴した。私たちは、2~3日前にゴーン氏がレバノンに逃げ込んだ時、自分自身をレバノン国民であると見なしていたため、告訴することにした」とトーメ氏は語った。
「レバノン国がゴーン氏をレバノン国民とみなし、日本への引き渡しを拒否する場合、レバノンの国籍によりゴーン氏は敵国イスラエルと取引をすることは禁じられることを意味する。彼は、レバノン人であるという理由でレバノンに隠れ、一方でフランス人という名目でイスラエルに入国するということはできない。」
3人の弁護士は、2000年にイスラエルが撤退する前にレバノン南部のイスラエルのキアム拘置所を運営し、その後イスラエルに逃げ、さらに米国に逃亡したアメール・アル・ファクウリ氏を、以前告訴している。アル・ファクウリ氏は、昨年9月にレバノンに入国したが、数日後、告訴状に基づき逮捕された。
「2人が犯した犯罪行為は、かなり異なっている:アル・ファクウリ氏は拘置所を運営していたのであり、一方ゴーン氏の犯罪は敵の領土に入ったことだ。いずれの場合も、2人はレバノン国籍としてレバノンに帰国している」とトゥーメ氏は述べた。
3人の弁護士は、10月17日以降に行なわれている抗議行動中のデモ参加者を弁護する弁護士委員会の委員である。
トゥーメ氏は、 2016年以来3人の弁護士が行った告訴は、国家的重要性のある問題に関するものであると述べた。「法律上の規定に従えば、検察官事務所は、法律違反があると感じた時には、自動的に行動しなければならない」と同氏は付け加えた。