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欧州委員会がパレスチナのNGOへの資金提供を再開

アルハックの代表、シャワン・ジャバリン氏。(AFP)
アルハックの代表、シャワン・ジャバリン氏。(AFP)
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02 Jul 2022 04:07:58 GMT9
02 Jul 2022 04:07:58 GMT9
  • イスラエルが「人権団体の活動領域を狭めようとますます圧力を強め」ていると強く批判

モハメド・ナジブ

ラマッラー:欧州委員会はラマッラーを拠点とするNGO、アルハック人権団体に対して、13か月間にわたり停止されていたEUからの4万ユーロの資金提供が再開されると伝えた。この停止は「不法で、背後に政治的な要因を否定できない」と判断されたためだ。

アルハックは、イスラエル政府が2019年10月に同政府がテロ組織に分類している(急進派)パレスチナ人民解放戦線とのつながりを理由に「違法団体」と名指しした6つのパレスチナの人権団体の一つである。5月21日には、イスラエル当局はアルハックの本部を閉鎖する軍事司令を出していた。

アルハックは43年前に創設され、6月には権威あるブルーノ・クレイスキー人権奉仕賞を受賞している。

アルハックの代表、シャワン・ジャバリン氏はアラブニュースに次のように語った。「この決定の重要性は、私たちは欧州委員会やEUの中に友人のいる、恐ろしい機械のような相手に立ち向かって、自分を守ろうとしているという(事実)にあります。イスラエルは政治的にもイデオロギーの面でも、私たちの足を引っ張ろうとしていますが、私たちはプロ意識を持って対処しています。政治的策略に、真実が勝利を収めたのです」

欧州委員会は6月28日付のアルハックに宛てた書簡の中で、資金提供の中断は欧州不正対策局(OLAF)による評価の結果、「無条件かつただちに」解除されたとしている。

「この決定はOLAFによる評価を含め、いくつかの要素に基づいている。OLAFによれば、捜査を開始すべき十分な根拠は見当たらなかった。具体的には、OLAF は(アルハックの)EU出資によるプロジェクトを実施する上で、EUの財政に影響を与えうるいかなる不法行為や不正の疑いもないと結論付けた」と書簡にはある。

6月30日の声明で、アルハックは次のように述べている。「2021年5月の発動以来、資金提供の中断は資金の不正使用についての真正な懸念によるものではないということが明らかになった。ハンガリーの欧州委員オリヴェル・ヴァルヘリイ氏の直接の管理下で、資金の中断はイスラエル政府による、パレスチナの市民社会を混乱させ、中傷し、パレスチナの人権団体とその支持者の声を抑圧しようとする試みに加担しようとする、政治的な目論見であった。過去13か月の間に、この資金の中断に関連して私たちが経験したことから、それ以外の結論は出てこない」

アルハックは以前、欧州委員会を相手に欧州司法裁判所に提訴しており、公聴会が7月4日に予定されているともジャバリン氏は付け加えている。

アルハックは声明の中で、イスラエルが人権団体の活動領域を狭めようとますます圧力を強め、パレスチナの人権保護団体や支持者を黙らせようと試みている状況には、何の幻想も抱いていないとしている。この状況が頂点に達したのが、アルハックとともに他5つのパレスチナの主要な人権団体(Addameer、ビサン研究開発センター、ディフェンス・フォー・チルドレンのパレスチナ支部、農作業委員会連合、パレスチナ女性委員会連合)が「違法団体」に指定されたことであった。他5つの団体は、EUからの資金提供を受けていない。

「私たちは資金提供が中止された当初から、欧州委員会の信頼性に欠ける振る舞いに疑念を持ち、資金の中断の必要性と釣合いに異議を唱え、根拠の明示と、資金中断がどのような情報に基づくのかの開示を要求してきた。今日まで、欧州委員会はその要求に応えていない」とアルハックの声明には書かれている。

「2021年の間中、欧州委員会は私たちの質問や要求を無視し続けた。2022年初頭には、私たちは欧州委員会に対して自分たちの権利を守るため、ベルギー人弁護士を選任した。2022年4月1日に、弁護士は『和解』手続きを始めたが、そこにはこの争いをどのように解決すべきかについての、私たちの提案も含まれている」と声明は続ける。

「資金を凍結するという決定は、私たちに対する犯罪です」ジャバリン氏は語る。「これは財政上のというより、政治的な問題で、EUも絡んでいます。資金の不正な使用も、テロリストへの資金提供もなかったと証明されたので、ようやく誤りは正されました。これはイスラエル人とイスラエル側の私たちに不利な虚偽の報告をもとに立場を決めたEUへのメッセージとなるでしょう」

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