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テヘラン:米国の無人機による爆撃により革命防衛隊の司令官カッセム・ソレイマーニーが殺害された後、嘆き悲しむ群衆が殺到する中、その遺体が日曜日にイランに到着した。こうした中、ドナルド・トランプ大統領は、テヘランがアメリカ人を攻撃する報復行動に出た場合、イスラム共和国の52か所を爆破すると警告した。
金曜日のソレイマーニーのイラクでの死によって、中東の広い地域を緊迫させてきた数カ月にわたる攻撃と脅迫の応酬の後、テヘランとワシントンの間の緊張はさらに高まっている。
紛争は、トランプ大統領がイランと欧米などの大国の間の核合意から撤退したことに根ざしているが、テヘランが日曜日にも別の一連の制限を破ると発表することが予想されるため、合意はさらにゆるまる可能性が高い。
イランは「厳しい復讐」を誓っている。すでに、土曜日遅くにバグダッドで発射された数発のロケット弾が、官公庁や米国大使館を含む外国大使館などがあるグリーンゾーンの内側またはその近くに落下した。
その後、トランプはTwitterで、米国はすでに「イランの52か所の標的(何年も前にイランによって人質となった52人のアメリカ人と同じ数)を定めており、中にはイランおよびイラン文化にとって非常に高いレベルの重要な場所が含まれる」と書いている。
トランプは標的を特定しなかったが、標的は「非常に早くかつ激しく攻撃される」だろうと付け加えた。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1213593975732527112?s=20
トランプはまた、イランが再び攻撃に出た場合、より大きな軍事的対応をほのめかし、さらに、「米国は軍事装備に2兆ドルを費やしたところだ」、また、「その最新のすばらしい装備を送り込む用意がある…決して躊躇しない!」とツイートした。
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1213684819537932293?s=20
イランの国営IRNA通信社によると、土曜日にバグダッドで数千人が爆撃で殺害されたソレイマーニーや他の人々を追悼した後、当局は司令官の遺体をイラン南西部の都市アーヴァズに飛行機で運んだ。
日曜日の早朝、 名誉衛兵が立ち並ぶ中、会葬者が旗で覆われたソレイマーニーと他の警備隊員の棺を駐機場から運びだした。
当局者は、ソレイマーニーの遺体をアーヴァズに運んだが、ここは、1980年から88年にかけてのイラクとイランの血なまぐさい戦争の際に戦闘の中心となった都市で、彼が次第に頭角を現すことになった場所である。
この戦争の後、ソレイマーニーは、イラク、レバノン、イエメンなどの国でイランの代理部隊と協力する遠征軍である、革命防衛隊の新たに編成されたコッズ部隊、またはエルサレム部隊に加わった。
当局はまた、日曜日にソレイマーニーの遺体をマシュハドへ移送し、月曜日には一般の追悼行進のためにテヘランとコムへ、そして火曜日には埋葬のために故郷のカーマンに運ぶ予定である。
ソレイマーニーは、イラク、シリア、レバノンに武装民兵を動員するイランの地域政策の計画立案者であり、ダーイシュとの戦争にも携わっていた。彼はまた、数十年前に遡る米国の部隊や米国の同盟国への攻撃の首謀者とされていた。
イランがいつどのように対応するかは不明だが、報復はイランとイラクの両方で宣言された3日間の喪が明けた後に行われる可能性がある。
2003年の米国主導の侵略以来、アメリカとイランが影響力を競ってきたイラクにすべての目が向けらていた。
金曜日の早朝の空爆の後、米国主導の連合軍はイラクにある基地での軍事行動を縮小し、「セキュリティと防衛策」を強化した、と連合軍関係者は規則に従い匿名を条件に語った。
一方、米国は、さらに3,000人の部隊を近隣のクウェートに派遣した。これはイランとの対立が悪化したために行ってきたここ数ヶ月の一連の派兵の最新のものである。
ソレイマーニーを殺害し、中東にさらに多くの部隊を派遣するというトランプの決定に抗議して、土曜日には米国の多くの都市でデモが行われた。
ほぼ脅迫に近い形で、イランに支援された武装勢力の1つであるアサイブアールアルハク、またはリーグ・オブ・ザ・ライチャスは、日曜日の夜から米軍基地から少なくとも1キロ離れるようイラク治安部隊に呼びかけた。
しかし、米国の部隊は常に地元の軍隊と並んでイラクの軍事基地に拠点を置いている。
イラク政府はイランと緊密な同盟関係にあり、ソレイマーニーを殺害した空爆を非難し、それを国家の主権に対する攻撃と呼んでいる。
議会は日曜日に緊急会議を開いているが、ダーイシュの復活を防止するため国内に駐留している5,200人の米軍の部隊を追放するよう政府に対する圧力が高まっている。
また土曜日には、NATOは安全上の懸念からイラクでのすべての訓練活動を一時的に中断した、とカナダのハルジット・サジャン国防大臣は語った。
米国は、すべての米国民にイラクを去るよう命じ、バグダッドにある大使館を一時的に閉鎖した。この大使館では、イランに支援された民兵とその支持者が2日間にわたって暴力的な抗議行動を行い、建物が破壊されている。
英国とフランスは、イラクへの旅行を避けるか厳しく制限するよう市民に警告している。
イラクとシリアでイランに支援された民兵25人が殺害された米国の空爆に対して行われた大使館での抗議行動での負傷者はなかった。
米国は、イラク北部で米国の請負業者が殺害されたロケット弾による攻撃に関し民兵を非難している。