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パレスチナの技術者団体、ヨルダン川西岸で抗議デモ アッバース大統領の威信に影響か

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02 Aug 2022 02:08:51 GMT9
02 Aug 2022 02:08:51 GMT9
  • パレスチナ技術者連盟のハバシュ委員長は、座り込みを行っているデモ参加者たちを前に、「私たちは、首相が現実から目を背けて閉じこもることを止め、自分たちの権利を求める技術者たちと向き合うよう要求します」と語った

ムハンマド・ナジーブ

ラマッラー:パレスチナ技術者連盟は、自治政府への抗議行動を強化すると発表し、1日には首相以下閣僚が週次閣議を行っているラマッラーの自治政府本部前で数百人が参加するデモを行った。

技術者連盟の関係者がアラブニュースに語ったところによると、デモの参加者たちは、公共部門の技術者に金銭的権利を認めるよう要求し、昨年自治政府と連盟の間で締結された財政的合意の実行に向けて政府前向きに取り組むよう求めたという。

技術者連盟は、公共部門で働く技術者に、同様の分野で働く技術者と同水準の120%の割合でボーナスを与えることを含む閣議決定の実行を要請している。

また、軍事技術者への報酬と4への住宅手当も求めている。

技術者連盟のナディア・ハバシュ委員長は、座り込みを行っているデモ参加者たちを前に、「私たちは、首相が現実から目を背けて閉じこもることを止め、自分たちの権利を求める技術者たちと向き合うよう要求します」と語った。

ハバシュ委員長は首相に向けて、”私たちを無視せず、技術者たちに向き合い、語りかけ、耳を傾け、彼らの要求に応えるように “と呼びかけた。

委員長はまた、技術者のための正義と公正の追求と、2014年に政府と締結した合意の履行の重要性を強調し、自治政府は技術者たちの訴えを無視し、彼らの権利を否定してばかりいると指摘した。

委員長によると、自治政府は技術者たちのストライキを止めさせ、合意を反故にすることを求める裁判を起こしたという。

技術者連盟は、自治政府に要求に応えるよう圧力をかけるため、先週を通して一般技術者のストライキを実施した。

7月30日には、今週の抗議行動をエスカレートさせることを発表している。

31日に実施された一連のストライキと業務中断の中で、技術者たちは職場から離れて連盟の本部に集まっていた。

常勤の技術者たちも職場を離れ、ストライキに参加するよう促された。

技術者連盟は6月から抗議行動を強化しており、今月には公共部門の技術者を対象に8日間のストライキを実施すると発表している。

ラマッラーに本拠を置く同連盟の代表を務めるオサマ・タハ氏は、アラブ・ニュースに対して次のように述べた。「私たちは2022年予算案を政府が承認し、大統領が是認するのを待っていたのですが、政府には自ら署名した合意を守ろうという意思がないのです」

抗議行動に関わっているのは、ヨルダン川西岸地区の技術職3万人、連盟の現役メンバー1万8000人、パレスチナ自治区に属する省庁の公共部門職員2000人だ。

技術者たちのエスカレートする抗議行動は、1カ月にわたって続いている1万500人のパレスチナ人弁護士による抗議行動と時を同じくしている。

ファタハ中央委員会のある上級幹部は、組合による抗議の輪が広がることで、パレスチナ自治政府の地位が弱まり、特に医師、薬剤師、教師などの他の組合がストライキや同様の抗議行動を始めれば、西岸地区の人々の生活が麻痺してしまう恐れがあるとの懸念を表明した。

パレスチナのアルクッズ大学未来研究センター長のアフマド・ラフィク・アワド氏はアラブニュースの取材に対して次のように述べた。「この一連の権利を求める組合による抗議やストライキは、政府と市民社会を支える諸組織との関係に欠陥があることを示すもので、パレスチナ自治政府のイメージにマイナスの影響を与え弱体化させることになります」

「頻繁に、また長期にわたって続くストライキは、雇用不安につながり、当局への信頼を弱め、公共生活の麻痺につながる可能性があります」

「もしも政府から財政能力がないから(合意を履行できない)という説明があったならば、私たちも合意の内容を技術者から政府への「貸し」と考えて、財政状況が改善した時に履行してもらえば良いとして協力できたのですが、政府は組合との合意を尊重せず、ただ無視しただけだったのです」

しかし、アワド未来研究センター長は、最終的には両者の間で合意が成立することに希望を持っているとも語っている。

抗議行動への懸念が高まる一方、パレスチナ自治政府のムハンマド・シュタイエ首相は、1日にラマッラーで行われた週次閣議の冒頭で、パレスチナの税基金から1億7700万ドル(約230億円)を差し引くというイスラエル政府の決定を、不当で違法、かつ権利の侵害行為だと非難した。

「これは、私たちの財政危機をまた別の面から悪化させるものですが、しかし囚われの身となっている方々や殉教者の家族に対する私たちのコミットメントは揺らぐことはありません」と首相は強調している。

イスラエルは、昨年12月末から、パレスチナ当局が囚人や殉教者の家族に支払っている補助金に当たる額を税基金から差し引いている。

イスラエルのこの措置は、現在17万人の公務員の給与額の80%を支払っているパレスチナ当局の財政状況に悪影響を与えている。

 

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