
サラ・ベナリ・シェリフ|アラブニュース・フランス
アルジェ: フランスのエマニュエル・マクロン大統領によるアルジェリア訪問は、重要な経済的可能性をもたらしたが、どっちつかずの外交関係がそれに影を落としている。
フランス側の視点に立てば、マクロン大統領の訪問は、アルジェリアとフランスの間の波乱に満ちた関係に新たな章を開くことを目指したものだった。
アルジェリアの立場からすれば、旧植民地に対する政治的主権の主張という色合いが強かった。
アルジェ大学の政治学者で、安全保障と開発問題を専門とするタイブ・ベルーアル博士は、今回の訪問について、特定の問題を前進させる目的で計画されたものであると語った。
「マクロンはその両肩に、歴史的な結果と、アルジェリアから経済的利益を得ようとする政治的圧力という、重荷を負っていた」
そして、この政治的圧力は特定の政治階級から生じているとし、彼らは今回の訪問を、経済発展と「両国を団結させる」ための架け橋の再構築、両方の機会と捉え、熱心に待ち望んでいたと指摘した。
しかし、今年で独立60周年を迎えるアルジェリアの国民は、アルキの役割を認めたフランス大統領の姿勢を忘れてはいない。この姿勢が、それをフランス領アルジェリアの古い影響と捉えるアルジェリア人を怒らせてきたのだ。
否定的な認識、とベルーアル博士は指摘し、こう付け加えた。「アルジェリアは、フランス国家が責任を負うべき植民地時代の犯罪が、世界的に認知されることを期待していた」
フランスのサヘル問題
ベルーアル博士は、マグレブやサヘルで生じた地政学的な問題を踏まえ、フランスとアルジェリアの協力関係は、より強固な基盤の上に再構築されるべきであると述べた。
「期待感の訪問」と博士は呼び、マクロンは、特にこの大陸におけるフランスの政治的存在感が低下している中で、アルジェリア側の譲歩を交渉できないことを十分認識していると指摘した。
安全保障上の懸念も同様であるという。
「フランスのロビー活動がサヘル地域、特にマリで後退し始めている様子が見られる」と博士は説明し、次のように付け加えた。「フランスがサヘル地域の監視を続けたいのであれば、アルジェリアを介して行うことになるだろう。フランスが炭化水素の安定供給を確保したいなら、アルジェリアは不可欠だ。マクロンはこの事実を理解している」
フランスのリーダーシップに関するベルーアル博士の考えは一貫している。
博士の考えでは、フランスは他の大国の利益のために、マリにおける指導者としての役割を失った。そしてそれが契機となり、マクロンは「パリがこの地域での再展開を成功できるように、自身の問題を整理し直している。しかし、今回はフランスから命令を出す主権者としてではなく、自国の利益を守るためのパートナーとして」
支配的な声
マクロン大統領の訪問は、記憶の問題でもあった。
フランスとアルジェリアの両政府関係者は、すべてのイデオロギー的、政治的、文化的な論争から遠く離れ、両国の関係の将来に焦点を当てることが緊急に必要であるとする公式メッセージを絶えず交換しているにもかかわらず、ベルーアル氏はこう強調した。「パリは植民地支配の歴史に苦しんでいるが、立ち向かおうとはしていない。もし、その時代について話すことになれば、双方から出てくる言葉は、このような感情的な口調が支配的になるだろう」
ベルーアル博士は、「この記憶の問題は、アルジェリアにとって利益となる代わりに、フランスによって圧力の道具として利用されてきた」と指摘した。
そして次のように付け加えた。「すべてがパリからの支配的な声の反響のように聞こえる。この支配の名残は、地中海の南岸に経済的に強力な国が出現するとは想像もできない古いロビー団体が、何度も戻って来ていることに現れている」
アルジェリアは政治的な独立を果たしたが、フランスへの経済的な依存に縛られ続けていると、ベルーアル博士は言う。フランスは、アフリカへの玄関口であるアルジェリアでの権益を、用心深く守りたいと考えているのだ。