
ベイルート:ダーイシュは12日、シリア東部で米国の支援を受けたシリア人戦闘員6名を殺害し、この過激派グループの家族数万人が暮らす広大なキャンプ内で現在進行中の作戦に対する報復だと述べた。
ダーイシュ関連のアマーク通信は、クルド人主体のシリア民主軍の戦闘員6名が撃たれる動画を公開した。場所は東部の村ルワイシド近郊で、戦闘員は生きたまま捕らえられた後、11日に射殺された。
2019年、ダーイシュは最後にわずかに残っていたかつての支配地域を失い、シリアで敗北した。それにもかかわらず、この過激派のスリーパーセルは、かつてダーイシュが大部分を支配していた2か国、シリアとイラクで破壊的な攻撃を続けている。
最新の攻撃は、イラクと国境を接するシリア東部のデリゾール県で起きた。ここでは米軍が「オマル油田」と呼ばれる石油関連施設に拠点を置いている。
米軍によると、先週、ダーイシュの家族が暮らす広大なアルホルキャンプで、シリア民主軍の戦闘員がダーイシュの戦闘員数十名を逮捕し、テント内で鎖に繋がれていた4人の女性を救出したという。
この作戦は3週間続いており、次世代の過激派ダーイシュ育成の温床とみられるキャンプ内の主なネットワークを断ち切ろうとする取り組みの一環として行われている。
シリア北東ハサカ県のアルホルキャンプは、以前から問題がますます大きくなってきていると見られ、ダーイシュの脅威を根絶するために多数の軍事作戦や奇襲攻撃が行われている。
約5万人のシリア人とイラク人がフェンスで囲まれたキャンプ内のテントに押し込まれている。そのうち約2万人は子ども、残りのほとんどは女性で、ダーイシュの戦闘員の妻や未亡人だ。そのほか、キャンプ内には厳重にガードされた「アネックス」と呼ばれるエリアがあり、57か国から来た女性がさらに2,000人いる。彼女たちは最も熱烈なダーイシュ支持者で、一緒にいる子どもたちの数は約8,000人にのぼる。
AP通信