ストラスブール、フランス: 制裁解除と引き換えにテヘランの核開発を制限する核合意に、イランとアメリカを復帰させるための交渉は、「膠着状態」にあると、EUの外交政策責任者ジョゼップ・ボレル氏が水曜に述べた。
「米国の政治状況や、結論が出ないまま非常に多くの方向性が生まれていることから、このまま一種の膠着状態が続くのではないかと心配している」と、ボレル氏は述べた。
ボレル氏は、2018年に当時のドナルド・トランプ大統領がアメリカを離脱させたことで大きなダメージを受けた2015年のイラン核合意を復活させようと、過去1年半にわたりさまざまな努力を取りまとめてきた。
イランはこれに対し、約束を順守する姿勢を後退させ、濃縮ウランの在庫を大幅に増やし、国連の核監視機関である国際原子力機関(IAEA)が運用する監視カメラをオフにするなどしてきた。
ボレル氏は先月、「最終的」であり、「全員の立場の間の最良の均衡点」であると当時説明した文書を、すべての関係者に提示した。
しかし、イランは、3つの未申告施設で核物質の痕跡が見つかった際に始まった、IAEAの調査の打ち切りを要求することに固執している。
また、米国の政治情勢も変化した。ジョー・バイデン大統領は11月の中間議会選挙に直面しており、そのことがイランとの合意実現をより難しくしている。
ボレル氏によれば、過去数カ月の間は「提案が収束していたが、不幸なことに、夏以降は最新の提案が収束していない。むしろ分散している」という。
そして次のように付け加えた。「イランからの最新の提案は役に立たなかった。あと少しというところで新しい提案が出て来たからだ。政治環境も最も好ましいとは言えない。残念だが、今後数日で事態が打開することは期待できない」
この核合意の当事者である欧州勢のイギリス、フランス、ドイツは先週、イランが本当に協定の復活を望んでいるのかということについて、「深刻な疑念」を発表した。
イランはこの共同宣言を「非建設的」と呼び、「遺憾」であるとした。
ボレル氏は、膠着状態を解消するため他に提示できることはないと述べた。「私の側からは、これ以上提案することはない」
AFP