
ニューヨーク・国連:トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は20日、イスラエルの首相と10年以上ぶりの首脳会談を行った。その中でイスラエルのヤイール・ラピード首相は、パレスチナのイスラム組織・ハマスに拘束されているイスラエル人に関する支援を求めた。
両首脳は国連総会に合わせて会談を開いた。両国が、数年に及ぶ緊張関係を経て外交関係を正常化すると発表して約1ヶ月ぶりのことだ。
ラピード首相は「行方不明あるいは拘束されているイスラエル人の問題を提起し、彼らを連れ帰ることの重要性を訴えた」と、イスラエル首相府は声明で伝えた。
首相府によると同首相はまた、宿敵であるイランに関する懸念も取り上げ、「情報分野における協力についてエルドアン大統領に謝意を表した」
トルコは1949年、イスラム教徒が多数を占める国としては初めて、イスラエルを国家承認した。
ところが、エルドアン政権下で両国の関係は悪化した。同氏が2003年に最高指導者に就任して以降、同国が標榜する世俗主義から距離を置いたためだ。エルドアン大統領が最後にイスラエルの首相と会談したのは、2008年であった。
両国関係が急激に悪化したのは2010年、支援物資をガザ地区に届けることで封鎖を突破しようとしていた船団の内の1隻であったトルコ船籍の「マビ・マルマラ」号をイスラエル軍が襲撃し、10人のトルコ人が死亡した後だ。
エルドアン大統領は、人口密度の高いガザ地区を支配するイスラム主義組織・ハマスとの関係を維持してきた。ハマスは現在、2人のイスラエル人を拘束していると考えられている。
エルドアン大統領は国連総会の演説で、東エルサレムを首都とするパレスチナ国家の樹立を改めて呼びかけた。
一方で同大統領は、トルコが「周辺地域だけでなくイスラエル、そしてパレスチナ人、トルコ人の未来と平和、安定のためにイスラエルとの関係を発展させ続けていく決意をしている」とも語った。
AFP