アラブニュース
ジェッダ:木曜日、イラン国内のデモの波が国境を越えて広がる中、同国の体制は国際的な孤立を深めている。
アフガニスタンでは、カブールのイラン大使館の前でイランのデモを支持する女性たちによる集会が行われたが、タリバン兵が空に向けて発砲して解散させた。
マフサ・アミニさんの追悼とデモのためにイラン大使館の前で集会を行うアフガニスタンの女性たち。2022年9月29日、カブール。(AFP)
デモ隊は「イランは立ち上がった。今度は私たちの番だ」「カブールからイランへ、独裁にノーと言おう」などと書かれた横断幕を掲げ、イランで用いられたスローガン「女性、命、自由」を唱えた。タリバン兵は横断幕を取り上げ、デモ隊の前で破り捨てた。
デモ主催者の一人は、このデモは「イラン国民や、アフガニスタンでタリバンの犠牲になっている女性たちへの支持と連帯を示すためのものです」と語った。
ノルウェーでは、オスロのイラン大使館前でデモが行われていた時に衝突が発生し、2人が負傷、90人が逮捕された。クルドの旗をまとった者を含む数十人の抗議者が大使館敷地内に侵入しようとした。
イラン大使館の外でデモをする活動家たちを抑えるノルウェー警察。2022年9月29日、オスロ。
このデモの前日、イランがイラク・クルディスタンに向けてミサイルとドローンを発射し、13人が死亡した。イラン政府は同地域のクルド人反体制派が、クルド人女性マフサ・アミニさん(22)が道徳警察に拘束され死亡した事件を受けてイラン国内で2週間前に始まったデモを煽っていると非難している。
アミニさんは家族とともにテヘランを訪れた際に逮捕され、ヒジャブのつけ方の「慎みが足りない」と非難された。
イランのデモは暴力的に弾圧され、少なくとも76人が死亡した。治安部隊は催涙ガス、警棒、バードショット、実弾を使用した。
ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相は木曜日、EUに対し、デモ隊への対応を理由にイランに対するさらなる制裁を課すよう求めた。
同外相はドイツ連邦議会で、「イラン当局はデモ隊への残酷な対応を直ちに止めなければならない」と述べた。
ブランデンブルク門の前で、イランのマフサ・アミニさんの死に抗議する活動家たち。2022年9月28日、ドイツのベルリン。(ロイター)
さらに、イランの女性の抑圧に関与した者に対する制裁を課すために、EUの枠組みの中でできる限りのことをすると述べた。
フランス外務省は、「イランにおいて女性の権利と人権の大規模な侵害が再び行われている」ことを受けて制裁を支援すると発表した。
EUのジョセップ・ボレル外務政策上級代表は、EUは「マフサ・アミニさんの殺害と、それに続いたデモへのイラン治安部隊の対応について(…)あらゆる可能な選択肢を検討する」と述べた。
イラン国内では、体制が著名なスポーツ選手や芸能人に対し、これ以上デモに対する支持を表明しないよう警告した。テヘラン州のモフセン・マンスーリ知事は、「暴動の炎を煽った有名人に対して、我々は行動を起こすだろう」と述べた。
既に、元テレビ司会者のマフムード・シャリアリ氏が「暴動や敵との連帯を奨励した」として逮捕されている。アカデミー賞を受賞した映画監督のアスガル・ファルハーディー氏は、デモ参加者と「連帯する」よう人々に促した。
ファルハーディー氏は、「人々は、国家から否定された単純だが基本的な権利を求めているのだ」と語った。