
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:イエメンで47人の乗客を乗せたバスが崖から転落し、少なくとも乗客3人が死亡、数十人が負傷した。重傷を負った人もいる。
報道によるとそのバスは、包囲されているタイズ市と南部の港湾都市アデンの間のぬかるんだ道から滑り落ちた。
この事故を受け、親イラン武装組織フーシ派によるタイズ包囲の終了を求める声が新たにあがっている。
地元の当局者やメディアによると、そのバスはメルセデス・ベンツ製で、ヌル・トランスポーテーションによって運行されていた。
そのバスが15日の夕方、ラヒジュ県アル・カバイタ地区で急な下り坂を走っていたときに今回の事故は起きた。
タイズ周辺にあるフーシ派の検問所を避けて通ろうとする人たちが、そのきちんと整備されていない道を定期的に利用している。
この悲劇的事故を受け、タイズの住民やイエメン政府関係者、人権活動家は国際社会に対し、フーシ派に圧力を掛け、国連が仲介した停戦の条項を実行させるよう、あらためて求めている。
タイズにいるイエメン軍のアブドゥル・バシット・アル・バヘル将校は16日、アラブニュースに対し、「アデン・ラヒジュ間の自由で安全な移動を妨げているのは、フーシ派による封鎖だ」と述べた。
「フーシ派による封鎖のせいで、人々は危険で傾斜のきつい道を通っている」と同氏は話した。
フーシ派は、4月2日に始まり、2度延長された、国連が仲介した停戦の条項に従い、タイズの包囲を部分的に解除するよう求められている。
イエメン政府が、商業便がサヌア空港から出発するのを容易にし、ホデイダ港の通過を許可する燃料運搬船の数を増やす代わりに、フーシ派は少なくとも1本の主要幹線道路と数本の補助道路を開放するという内容だ。
サヌア空港が開放され、50隻以上の燃料運搬船がホデイダに到着したにもかかわらず、フーシ派はタイズで道路を開放をすることを拒否し、代わりに短い未舗装道路1本のみを開放すると主張している。
それが原因でこの取引は破綻した。
イエメン人権侵害申し立て委員会のスポークスマンであるイシュラク・アル・マクタリ氏は、今回のバス事故に関するツイートで「停戦していた6カ月の間に、民間人の死傷者・犠牲者を減らせる道路を解放するよう、フーシ派を説得することができなかった」と書いた。
これとは別に、タイズの地元軍当局者は、フーシ派がタイズ西部、東部の政府軍や住宅地区を無差別攻撃し、民間人1人が死亡したと報告した。