
アルビール、イラク
イラク軍の高官が1月16日(木)、トルコがクルド族の不法反乱グループを標的としてイラク内で空爆を行い、その反乱グループに加担している少数派のヤズディ兵を少なくとも4人殺害した、と述べた。
その軍高官が匿名を条件に語ったところによると、この空爆は15日(水)に行われ、ニネヴェ郡北部のシンジャーという町で ピックアップトラックを標的とした。
このトラックはシンガル抵抗団と呼ばれるイラクのヤズディ教徒市民軍のメンバーを乗せていた。彼らはクルド労働党(PKK)と同盟を結んでおり、PKK はトルコで反政府活動を展開して不法組織とみなされている。
イラク北部のクルド系テレビ局は、空爆で殺害された者の中にヤズディ軍のZardasht Shingali司令官が含まれており、他の5人のメンバーは負傷していると報道した。
一方バグダッドでは、イラクの合同作戦司令部が、シンジャーでの空爆で5人が殺害されたと報告している。死傷者数の違いは今のところ訂正されていない。
ヤズディ市民軍は、2014年8月にイスラム国(IS)がイラク北部の大半を占拠した後に結成され、2015年11月にIS が町から駆逐された後、町の安保を彼らが引き継具形となった。彼らはシリアのクルド人民防衛隊(YPG)やトルコのPKK と同様に、クルドグループと強力な関係を保っている。
トルコは、PKKの物資供給ルートを絶つために、シンジャーにおけるヤズディ市民軍所在地を繰り返し攻撃してきた。また、昨年のトルコによる空爆では、PKKの司令官であったZaki Shingaliを殺害している。
イラクの他の場所では、サウジアラビアとの国境へ続く高速道路で4人以上のイラク兵が自動車爆弾で負傷した、とイラク合同司令部からの声明が出ている。
その攻撃責任の名乗りをあげるグループは今のところ出ていないが、イスラム国グループの敗残兵によるものではないかと考えられている。
AP通信