モハメド・ナジブ
ラマッラー:パレスチナ人は、彼らから不法に奪われたと主張する土地に、イスラエルと米国当局が常設の在エルサレム米国大使館建設を決定したことに怒りを表明している。
このプロジェクトは、公館、事務所、職員住宅、駐車場、および保安用建物から構成される予定である。
米国およびイスラエルは、2021年2月、1950年不在者財産法に基づいてイスラエルがパレスチナ人から接収した土地にこの複合施設を建設する計画を提出した。従来の土地所有者らの子孫には米国国民や東エルサレム・パレスチナ人が含まれ、彼らは開発中止を要求している。
エルサレム地方計画建築委員会は、2018年に米国大使館がテルアビブからエルサレムへと暫定的に移転した後、常設公館の建設計画を公表した。
選ばれたのは、1990年代までイスラエル軍が使用していたタルピオット郊外のアレンビー軍事基地の跡地だ。敷地の大半は西エルサレムにあるが、一部はエルサレム東部と西部の間に位置するため「立入禁止区域」に分類される。
イスラエルのエルサレム市当局は当該プロジェクトの完成時期を明らかにしていないが、フルール・ハッサン・ナフム副市長は、同計画の公表は、米国使節団との4年にわたる懸命な作業の末に実現したものであると述べた。
イスラエルの情報筋が9日水曜日に語ったところによると、市民は、開発作業の着手前に、この計画への異議を申し立てることができる60日の期間を与えられるという。
開発予定土地のうち20ダラム(2ヘクタール)を所有するエルサレムの70歳の退任教授アリ・クレイボ氏は、アラブニュースに対し、この土地は350年前から自らの家族が所有してきたと語った。
「イスラエル人はこの土地の所有者が誰かということなど気にも留めていません。彼らが考えているのは、イスラエル人を喜ばせること、そしてエルサレムに大使館を置くことだけです」と語った。
「イスラエル人とアメリカ人が、エルサレムが占領地であると認める国際法の全てに逆らって、我々の社会の歴史、繁栄そしてアイデンティティの行く末を決めることができると分かって、私は非常にむなしく、腹立たしく、もどかしく感じています」
「この土地はイスラム教の寄進地であり、私はその恩恵を受けています。それなのに、イスラエル当局は不在者財産法に基づいて押収してしまいました」
クレイボ氏は、何度か自分の土地に近づこうと試みたが、イスラエル当局に阻まれたという。
イスラエル・アラブ少数民族権利法律センター(Adalah)は7月に発表した声明において、保存されている記録を調べた結果、開発予定地はパレスチナ人が所有する土地であることを「決定的に」確認できたと述べた。
在イスラエル米国大使館は、これらの主張についてコメントを出していない。
Adalahの法律顧問であるスハド・ビシャラ氏はアラブニュースに対し、この土地はイスラエルが不法に没収したものであり、米国はこれを大使館として用いるべきではないと述べ、同計画を撤回するよう働きかけるべく、所属組織から来週にも米国務省に手紙を送付すると付け加えた。
彼女は、Adalahもイスラエル当局に異議申立書を提出することを検討していると語った。
ドナルド・トランプ前米大統領は2017年にエルサレムをイスラエルの首都と認め、翌年には同地に大使館を移転させた。ほとんどの国がエルサレムへの大使館移転を拒否しているが、ホンジュラス、グアテマラおよびコソボはその流れに逆らった。
イスラエルはエルサレム全域が首都であると主張するが、パレスチナは東エルサレムはパレスチナ国家の首都であると主張している。