
エルサレム:パレスチナ諸派は20日、パレスチナ人囚人が肺がんで死亡したことを受け、市民に対しヨルダン川西岸地区でのゼネストを呼びかけ、イスラエル軍に立ち向かうよう要求した。
パレスチナのマフムード・アッバース大統領率いるファタハ党の武装支部「アル・アクサ殉教者旅団」の元指導者だったナセル・アブ・ハミド氏(50)は、パレスチナの第二次インティファーダ(2000年代初頭に発生したイスラエルの占領に対する蜂起)の際にイスラエル人7人の死に関与したとして2002年に7件で終身刑を宣告された。
パレスチナ当局は、ここ数ヶ月前ほど同氏の健康状態が悪化していたことから釈放を要求していた。
二国間解決の交渉やイスラエルのパレスチナに対する終わりのない軍事支配の終結の見通しがますます遠のく中、両者の衝突による犠牲者数がこの数十年で最大級となった年が終わりを迎えようとしているタイミングで、アブ・ハミド氏の死が伝えられた。
イスラエル監獄局は死亡を認め、同氏が末期症状となり前日に入院していたことを明らかにした。「今回の件については同種の件と同様に調査される予定だ」
元囚人や現在収容中の人々を代表する団体「パレスチナ囚人クラブ」によると、約4700人のパレスチナ人がイスラエルによって治安上の罪や同国への不法入国の罪に問われ収監されている。アブ・ハミド氏は2021年8月にがんと診断されたという。
パレスチナ当局は、同氏の死はイスラエルのせいだとした。パレスチナのムハンマド・シュタイエ首相は、イスラエルが「故意に十分な治療を受けさせなかった」と非難した。
ガザ地区を支配する過激派組織ハマスは同氏の死を受け、「占領軍の刑務所における本物のエスカレーション」を呼びかけた。
イスラエル監獄局は、アブ・ハミド氏は診断を受けて以降は「監獄局の医療スタッフや外部スタッフによる手厚い治療を定期的に受けていた」としている。
ファタハは「パレスチナ人囚人に対して行われた犯罪に対抗して」ヨルダン川西岸地区の各都市でストライキを行うよう呼びかけた。
パレスチナの公式通信WAFAは、「ファタハはイスラエル軍との接触地点における『怒りの日』も呼びかけた」と伝えた。
AP