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トルコ: スウェーデンがNATOに加盟するには、まだ満たすべき義務が残っている

12月22日、アンカラにて、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣(右)と、スウェーデンのトビアス・ビルストロム外務大臣。(AP)
12月22日、アンカラにて、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣(右)と、スウェーデンのトビアス・ビルストロム外務大臣。(AP)
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23 Dec 2022 08:12:58 GMT9
23 Dec 2022 08:12:58 GMT9

アンカラ: 22日、トルコはスウェーデンのNATO加盟に向けた歩みを今のところ評価しているものの、トルコ政府の支援を確保するためのコミットメントのリストをまだ「半分」も満たしていないと、トルコ外相が述べた。

メヴリュット・チャヴシュオール外務大臣は、2016年のクーデター未遂に関与していたとされトルコで指名手配されている男性の身柄引き渡しを行わないというスウェーデン裁判所の決定は、スウェーデンのNATO加盟交渉における前向きな雰囲気を「害する」ものだったと述べた。

スウェーデンとフィンランドは今年、ロシアのウクライナ侵攻を受けて長きに渡って保ってきた軍事的中立政策を捨て、NATO加盟への申請を決断した。この動きが認められるためには、現在の加盟国30カ国による全会一致での承認が必要となる。

トルコはスウェーデンとフィンランドに対し、同国がテロ組織とみなす集団への取り締まり、およびテロ関連の犯罪が疑われる人物の引き渡しを迫りながら、このプロセスを停滞させてきた。

既にNATO加盟国のうち28カ国はスウェーデンとフィンランドの加盟を承認している。まだ承認していない加盟国は、トルコとハンガリーのみとなっている。

スウェーデンのトビアス・ビルストロム外務大臣と合同記者会見を行ったチャヴシュオール外相は、トルコ政府は依然として引き渡しおよび資産凍結に関する「具体的な進展」を待っていると述べた。

「文書があり、それは実行に移されるべきです。我々はまだ中間地点にも至っていません。我々はまだ始まりの段階にあります」チャヴシュオール外相は6月にトルコ、スウェーデン、フィンランドが署名した覚書を引き合いに出して語った。

この覚書では、スウェーデンとフィンランドがトルコの安全保障上の懸念に対応することに同意している。その内容は、クルド人武装勢力、および米国を拠点とするイスラム教の聖職者であるフェスラー・グレン氏が運営するネットワークに関係している人物の国外退去および引き渡し要求をはじめとするものだ。トルコ政府は2016年のクーデター未遂の黒幕であるとしてグレン氏を批難しているが、同氏はこれを否定している。

ビルストロム外相の訪問は、スウェーデンの最高裁判所がジャーナリストのビュレント・ケネス氏の引き渡しを拒否した数日後に行われた。トルコ政府はケネス氏をクーデターの立案者の一人であると批難している。スウェーデンに亡命が認められたケネス氏は、英字新聞『Today’s Zaman』紙の編集者だった。グレン氏のネットワークが所有していた同紙は、トルコ政府の同グループ取り締まりの一環として廃刊に追い込まれた。

「(トルコとスウェーデン間の)交渉は、建設的な形で継続してきました」チャヴシュオール外相はそう述べた。「しかし、この最近の(事件)、ケネス氏の引き渡し拒否は、残念ながらこの雰囲気を著しく損ないました」

ビルストロム外相はスウェーデンのコミットメント遂行への決意について繰り返し述べ、スウェーデン政府は反テロ法強化を進めていると述べた。

テロへの従事およびその支援を行う集団の結成の自由を制限し、違法クルド人労働者政党(PKK)を標的とした憲法改正は、来年1月1日から施行されるとビルストロム外相は述べた。

またスウェーデン政府は、テロ集団の活動への人々の参加をさらに阻害するための法律導入を計画しているとビルストロム外相は述べた。

「チャヴシュオール外相、そしてトルコの人々への私のメッセージは明確です。それは、スウェーデンは約束を守るということです。我々はこの合意を真剣に捉えています。我々はすべての項目に対して措置を講じ始めており、今後もその実行を続けていきます」ビルストロム外相はそう述べた。

AP

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