
アンカラ:今週初め、イタリア・フランスのエネルギー企業共同事業体がキプロス沖でさらなる天然ガスを発見したことを受け、トルコはキプロスが東地中海の緊張を高めていると非難した。
キプロスの炭化水素事業活動は「一方的に実施」されており、「キプロス島の全天然資源の共同所有者であるトルコ系キプロス人の権利を侵害している」とトルコ外務省のタンジュ・ビルギチ報道官は述べた。
同氏は声明の中で「また、このような活動は東地中海の緊張を高め、平和と安定を脅かしている」と述べ、トルコは「この大陸棚で同意なしの炭化水素開発や採掘活動を一切認めない」とした。
キプロスのエネルギー省は28日、イタリアのエニとフランスのトタルエナジーズの共同事業体が、キプロス沖でさらに多くの天然ガスを発見したとに発表した。
キプロスの開発計画は、トルコから猛抗議を受けている。キプロスは、その大陸棚やトルコのみが国家として承認する北キプロスのトルコ系キプロス人国家から分離した水域で、管轄権の競合が起きている。
国際的に認められ、キプロス全島の代表と見なされている同国のギリシャ系キプロス政権は、こうした抗議を退けている。
キプロス島の分断が起きたのは1974年。当時のギリシャ与党の武装勢力による簡易的なクーデターにトルコが触発され、軍事介入を行った後のことだ。
トルコは、キプロスのギリシャ政権を認めていない。
長年にわたり、両者の平和調停の試みは失敗している。
ロイター