チュニス:チュニジアの民衆が全国で蜂起した「アラブの春」から12周年を記念し、同国の経済危機と独裁色を強める大統領の統治に怒る野党などが、14日に首都でのデモ行進を計画している。
この抗議運動は、先月の議会選挙で投票率が11%にしか満たなかったという酷い結果を受けて行なわれる。
今回の選挙は、2021年にカイス・サイード大統領が活動を一時停止させた議会に代わる新議会を発足することを目的としている。第2回目の投票は1月29日に予定されている。
また、同国が大きな経済危機を経験しており、インフレと失業率が上昇していることも要因となっている。
チュニジアの人々は、ここ数カ月、食料価格の高騰と燃料、砂糖、植物油、米などの基本的な食料品の不足に悩まされている。
人気のあるイスラム主義のアンナハダ党を含む5つの野党で形成される連合「国民救済戦線」の代表であるアフメド・ナジブ・チェビ氏によると、首都の幹線道路と革命の重要拠点であるハビーブ・ブルギーバ通りで、何万人ものチュニジア人が抗議デモに参加すると予想されている。
内務省はデモを組織する権限を与えられたすべてのグループに対し、あらかじめ決められた日時を尊重し、絶対に暴力行為を起こさないようにと呼びかけた。
同省はまた、制限を順守し、治安部隊との衝突を引き起こさないよう抗議者に促した。
2011年1月14日、当時の大統領ジン・アビディン・ベンアリ氏は権力の座から追われ、チュニジアは「アラブの春」を考慮した新興の民主主義国へと変わった。ベンアリ氏は2019年に亡くなった。
2019年に選出されたサイード氏は、司法の独立性を抑制し、議会の権限を弱めた。
昨年7月の国民投票で、チュニジアの有権者は大統領に広範な行政権力を与える憲法を承認した。
プロジェクトを先導し、自ら草案を書いたサイード氏は、この権限を最大限に活用し、政党の役割を縮小させるために9月に選挙法を変更した。
明らかにこの批判に対する反応として、サイード氏は13日にブルギーバ通りを突然訪問し、首都の歴史的地区であるメディナを通過した。
同氏は、抗議者に混じって衝突を引き起こす可能性のある「侵入者や反逆者」に対する注意を呼びかけた。
サイード氏は1月14日の公式記念日を廃止し、代わりに12月17日を「革命記念日」とすると宣言した。
チュニジアにおける蜂起の始まりは、2010年12月17日、果物を売っていた青年が抗議の焼身自殺を遂げたことで、同胞の抑圧された怒りと不満が解き放たれ、抗議行動が全国に広まり、革命につながった。
AP