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児童を標的としたイスラエルの夜襲に批判が高まる

被占領ヨルダン川西岸地区ベツレヘムのデヘイシェ難民キャンプで14歳のオマール・フムール君の葬儀に参列する人々。2023年1月16日(AFP)
被占領ヨルダン川西岸地区ベツレヘムのデヘイシェ難民キャンプで14歳のオマール・フムール君の葬儀に参列する人々。2023年1月16日(AFP)
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17 Jan 2023 12:01:41 GMT9
17 Jan 2023 12:01:41 GMT9
  • 暴力が激発する中、被占領ヨルダン川西岸地区ベツレヘムの難民キャンプで14歳の少年が急襲中に殺害された

モハメッド・ナジブ

ラマッラー:ヨルダン川西岸地区と東エルサレムでイスラエルがパレスチナ人の子供を対象に行っている夜襲に批判が集まっている。

イスラエルの人権団体「HaMoked」によると、イスラエルの治安部隊は年間で数百人の子供を計画的な急襲により逮捕しており、関係者すべてにトラウマを残している。

「薄弱な根拠:イスラエルによるパレスチナ人児童を対象とした夜襲の広がり」と題した報告書の中で、HaMokedは逮捕される子供が短期間拘束され、何の容疑もつかないまま釈放される場合でも、夜襲が行われているという。

昨年HaMokedが検証した125のケースの内、イスラエル軍部隊の突入前に召喚状を受け取っていた家族は1つもなかった。

HaMokedによれば、イスラエルが急襲作戦の縮減を拒否していることは、この戦術がパレスチナの人々に恐怖を抱かせるために意図的に用いられている証左である。

もっとも最近イスラエルに向けられている非難は、ある少年の死をめぐるものである。パレスチナ保健省の発表によると、1月16日、ベツレヘムのデヘイシェ難民キャンプでイスラエル軍兵士により14歳のオマール・ロトフィ・フムール君が頭部に銃撃を受けて死亡した。

少年が搬送された病院の周囲にはパレスチナ人の群衆が集まり、イスラエルへの抗議を叫んだ。

フムール君の死で、今年に入ってからイスラエル軍に殺害されたパレスチナ人の数は14人になった。内4名は子供である。

HaMokedの報告書は、子供が拘束された後居場所を探すためにHaMokedに接触してきた294の家族からの情報を基にしている。その内、125のケースで夜中の作戦で逮捕が行われた。

報告書は「イスラエルが事情聴収の必要なパレスチナ人児童に対して取っている行動は国際法が課す義務への深刻な違反である」としている。

2021年にHaMokedは高等裁判所に申し立てを行い、イスラエル軍は「計画的逮捕の前に容疑者となった未成年者を召喚する手続き」を導入することになった。

HaMokedはすでにこの件で再度の申し立てを行った。審理は3月に予定されている。

調査によると、微罪の容疑がかけられた子供に対してさえも、夜襲による逮捕が行われている。

HaMokedが検証したケースの大部分で、逮捕者は数週間以内に帰宅を許され、ほとんどの場合何の容疑もつかないという。多くは数日、あるいは数時間拘束されるだけである。

「夜間逮捕は最終手段であるべきで、真夜中に兵士の一団が住居を急襲するよりも前に、他の可能な手段が用いられなければなりません」とHaMokedのジェシカ・モンテル理事長はアラブニュースに語った。

「逮捕される少年にとっても、その家族にも大きなトラウマとなる経験です」

「イスラエルは夜間逮捕の代わりに召喚状を出すという新たな手続きを導入しましたが、過去1年間の私たちの調査では、状況はまったく改善されていません。

昨年は125の夜間逮捕を記録しましたが、どの場合も召喚は行われていません」

NGO「ディフェンス・フォー・チルドレン・インターナショナル」の説明責任プログラム主任であるアイエド・アブ・クタイシュ氏はアラブニュースに対し、イスラエル軍が予告なしの逮捕に関する裁判所の判決を無視していることは明白だと述べた。

アブ・クタイシュ氏は続けて、大半の場合逮捕は夜間に重武装の部隊が住居に暴力的に押し入って行われるため、就寝中の子供はたたき起こされて尋問施設に連行されるのであり、心理的なトラウマをもたらすと述べた。

当該の子供が見つからない場合のみ、部隊は家族に捜査のための召喚状を渡している。

NGO「パレスティニアン・プリズナーズ・クラブ」のアマニ・サラネフ氏はアラブニュースの取材に、イスラエル軍は昨年同様の作戦で882名の児童を逮捕したと語った。150人は未だに収監中だという。

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