• レバノンのナジーブ・ミカティ首相は、先に、「法的能力のある司法およびセキュリティ関連の照会先を現在確認しています。新たな事実情報が出てきましたので、この事案の完全解決に向けて現在捜査中です」と、述べた。

ナジャ フーサリ

ベイルート：ヒズボラとイランを激しく批判していたレバノンの聖職者シャイフ・アーメド・アル・リファイ師がトリポリで行方不明になってから1週間後、土曜日に同師の遺体が発見された。

土曜日午後5時30分、レバノン北部の町カルカフであるウェブサイトがアル・リファイ師の死を悼んだ。

ダル・アル・ファトワに所属していたこの宗教指導者は、アッカール郡のアル・カルカフ出身で同地のモスクの導師（イマーム）だった。

レバノン陸軍部隊は土曜日に治安維持と報復行動の防止のために同地域に展開した。

カルカフで拡散している情報によると、この事件で逮捕された容疑者がアル・リファイ師の遺体の所在を明かしたという。

レバノンのナジーブ・ミカティ首相は、先に、「法的能力のある司法およびセキュリティ関連の照会先を現在確認しています。新たな事実情報が出てきましたので、この事案の完全解決に向けて現在捜査中です」と、述べた。

目撃者によると、月曜日にアル・リファイ師が姿を消したのは、2台の車が同師の車をブロックした後である。車をブロックした後、覆面をした男たちがアル・リファイ師にトリポリのベイルート・アラブ大学の裏手に行くよう強要したという。

この事件の4日後、アル・リファイ師の4輪駆動車をトリポリ南部クーラ入口のハイケル病院付近で治安部隊が発見した。誘拐犯らは、アル・リファイ師の車をそこまで運転し駐車したと考えられている。

アル・リファイ師の携帯電話の電波はトリポリの南側入口に到着後途絶えていた。誘拐の直前、アル・リファイ師はトリポリ市の北側のベッダウィのモスクで夜の礼拝を行っていた。

治安部隊はその周辺を捜索し、また、分析のためにセキュリティカメラを押収した。

アル・リファイ師は「誘拐場所に誘い込まれた」と、ある治安筋は見ている。

アル・リファイ師の家族の親しい友人によると、ヒズボラとシリア政権に批判的な同師は、ツイッターで「抵抗の枢軸」を激しく非難していたという。

総合保安局から国家治安庁に至る各治安当局と治安部隊は、全て、アル・リファイ師の逮捕を否定した。

レバノン北部の第一捜査判事であるサマランダ・ナサール氏が本件を担当し、クーラに残されたアル・リファイ師の車の検証を皮切りに捜査を開始した。

アル・リファイ師の家族の親しい友人は、先に、「治安当局が金曜日夜にカルカフで強制捜索を行ってヤーヤ・アル・リファイ氏の息子や従兄弟たちを逮捕しました。家族内での政治的議論が原因で、ヤーヤ・アル・リファイ氏の息子や従兄弟たちが関わってアル・リファイ師が誘拐されることになったと、治安当局は考えています」と、語った。

アッカール郡の法学者（ムフティー）シャイフ・ザイド・ザカリア師はカルカフの町の人々に、「広がる噂に関心を持たないように」と、呼びかけた。

ダル・アル・ファトワの関係者は、「アル・リファイ氏の失踪へのヒズボラの直接的関与についての決定的な証拠」の存在を否定した。

ダル・アル・ファトワからこの事案の担当者として指名されたシャイフ・ハルドゥン・オライマ師は、ダル・アル・ファトワは関与の有無を知るためにヒズボラと連絡を取っておらず、それは「私たち（ダル・アル・ファトワ）の責務ではないからです」と、アラブニュースに語った。

「情報を有する関連各組織と頻繁に接触している公的治安部隊によってそれは（ヒズボラとの連絡）は行われました。治安当局はこの事案に真剣に取り組んでいます」

シャイフ・ザイド・ザカリア師は、「レバノンの大法学者（大ムフティー）シャイフ・アブデル・ラティフ・デリアン師の慎重かつ懸命な知恵と指示、そして、噂に影響されず軽率な非難をせず争いを防ぐ同師の役割」を賞賛した。

ザカリア師は、治安関連捜査の実施を要請し、召喚や逮捕は通常の捜査の範囲内であると語った。

「分断や対立を引き起こそうとする勢力に機会を与えてはいけません」と、ザカリア師は語った。