• • ネタニヤフ氏は発言を明白に非難はせず、連立政権をともに運営するベザレル・スモトリッチ財務相がうっかりと失言したとほのめかすにとどまった。
• • スモトリッチ氏は謝罪せず、「ハワラは一掃されるべきだと言った時、罪のない人々に危害を加える意図はなかった」と述べた

モハメッド・ナジブ

ラマッラー：3月5日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、パレスチナの町の抹消を要求した主要閣僚の発言を否定せよというアメリカの要求を受けて、発言は不適切だったと述べた。

真夜中を少し過ぎた頃にツイッターに英語で行った短い投稿では、ネタニヤフ氏は発言を明白に非難はせず、連立政権をともに運営するベザレル・スモトリッチ財務相がうっかりと失言したとほのめかすにとどまった。

ネタニヤフ氏はスモトリッチ氏が後に発言を撤回したことに謝意を示した上で、「彼の言葉の選択が不適切なものだった点は明確だ」と書き込んだ。

だが、前後のネタニヤフ氏の投稿の大半は国際社会に対し、パレスチナ人のイスラエル国民への攻撃に批判を向けるよう求めるものである。

スモトリッチ氏が1日に問題の発言をして以来、これがネタニヤフ首相の最初の公的な反応であると思われる。

ネタニヤフ氏のツイッターでは、政権の極右メンバーのイデオロギーと主要な同盟国であるアメリカの期待の間でバランスを取ることに腐心する様子が強調されている。

スモトリッチ氏はネタニヤフ連立政権を構成するいくつかの超国家主義政党の1つの党首であり、現政権はイスラエル史上もっとも右寄りの内閣である。

イスラエルが占領下に置くヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植者たちは先週、パレスチナの町ハワラで大規模な破壊活動を行った。

ハワラではその日、2人のイスラエル人の兄弟がパレスチナ人により射殺される事件が起きていた。その後スモトリッチ氏は、ハワラは一般市民ではなく、イスラエル軍によって一掃されるべきだとの発言をした。

スモトリッチ氏はその後発言を撤回し、ハワラの壊滅を意図した訳ではなく、そこでイスラエルがパレスチナ武装勢力に対しいわば外科手術を行うべきだという主旨だったと述べた。だが、発言はそれでも国際的非難を呼んだ。

アメリカはこの発言は忌まわしいものだとして、ネタニヤフ首相に対しこれを「公にかつ明確に拒否し、否定する」よう求めた。国連、エジプト、サウジアラビアもスモトリッチ氏の発言を非難した。

英語で行った投稿とほぼ同時刻に、ネタニヤフ氏はヘブライ語でツイッターに外国の外交官でさえ過ちを犯すと書き込んだ。

これはイスラエルのテレビ局「チャンネル12」が、トム・ナイズ駐イスラエルアメリカ大使がスモトリッチ氏の今週のワシントン訪問に先立って侮辱的な発言をしたと報じた件への当てこすりであると思われる。

大使はスモトリッチ氏をできることなら「飛行機から放り出したい」と述べたという。アメリカ大使館はこの発言があったことを否定している。

ホワイトハウスは、スモトリッチ氏は訪米時にアメリカ政府高官と顔を合わせることはないと表明している。

一方、テルアビブでは数千のイスラエル人が政府の司法制度改革に抗議して9週連続でデモを続けている。識者はこの改革は民主主義を脅かすものだと考えている。

抗議のデモは他にエルサレムと、ハイファ近郊の都市カルミエルでも行われた。

司法制度改革は、現政権の目玉となる施策である。ネタニヤフ現政権は超正統派および極右政党との連立政権で、昨年12月末に発足した。