
エルサレム:イスラエル空軍は9日、政府が計画する司法改革への抗議が広がる中、その一環として訓練飛行の集団放棄を画策したとして、軍の予備役将校を解任したと発表した。
イスラエルを揺るがす政治危機の中で初の懲戒処分となった大佐(氏名は非公表)について、「将校の階級と地位にふさわしくない行動をとった」と軍は声明で述べた。
これとは別に、空軍司令官のトメル・バー少将は、大佐について「イスラエル空軍のパイロットとの接触において不適切な権限を自ら行使した。善意から来るものであっても、軍務を一斉に放棄するために団結することは禁じられている」と述べた。
F-15飛行隊の予備役パイロットとナビゲーター37人は5日、「民主主義と国家の統一のための対話と熟考に時間を割く」ために、訓練日をスキップすると表明した。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相の極右連立政権は、最高裁判所の権限抑制を含む司法の改革を計画している。
ネタニヤフ首相は、これにより政府の部門間のバランスが回復すると言っているが、批判者はこれを司法の独立性を空洞化させる取り組みと見ている。
兵士たちの抗議行動は、徴兵制の軍隊を政治とは無縁であるべき一種のるつぼと見なしているイスラエル人に衝撃を与えた。予備役の空軍兵は、法的な参加義務なしにボランティアとして訓練に参加している。
ロイター