
ハーグ: 国際刑事裁判所は17日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏に対して、ウクライナからの子供らの拉致に対して個人的に関与した責任があるとして、戦争犯罪容疑の逮捕状を発行したと発表した。
これまで世界の指導者に対する起訴は行われたが、国連安全保障理事会常任理事国の5か国の指導者に対して逮捕状を発行したのは初めてのことだ。
同裁判所の発表によると、プーチン氏には「ウクライナの占領地域からロシア連邦への違法な(子供ら)の国外送還と違法な(子供ら)の移送に関与した容疑がある。」
同裁判所は、子供の権利担当のマリア・アレクセーエブナ・リボワ・ベロワ大統領全権代表にも逮捕状を発行した。
この措置を、ロシア政府は即座に一蹴し、ウクライナは大きな前進として歓迎した。しかし、この2名のどちらも国際刑事裁判所で裁判に出廷する可能性は極めて低いため、この措置の実効的な意義は限定的なものになる可能性が高い。
しかし、この倫理的な糾弾は、終生にわたり、そして、より近い将来、プーチン氏をおそらく逮捕する国で開催される国際的首脳会議出席の度ごとに、彼を貶めることになるだろう。
「従って、プーチン氏は中国やシリアやイランなどの数少ない同盟国には行くだろうが、まず世界の他の場所には行かないだろうし、実際に自分を逮捕するだろうと思われる国際刑事裁判所の加盟国には行かないだろう」と、ラトガーズ大学の国際法と武力紛争の専門家であるアディル・アフマッド・ハクは語る。
同意する人は他にもいる。「ウラジーミル・プーチン氏は永久に世界中でのけ者とされるだろう。彼は世界中であらゆる政治的信頼を失った。彼を支持するいかなる世界的指導者もまた辱めを受けるだろう」と、前国際法廷検察官のデイヴィッド・クレイン氏はAP通信に語った。
国際刑事裁判所所長のピオトル・ホフマンスキ氏はビデオ声明で、ICCの裁判官は逮捕状を発行したが、それを執行するかどうかを決めるのは国際社会だと述べた。ICCはそれを行う独自の警察機構を持たないのだ。
「裁判官は逮捕状を発行しました。その行使は国際協力にかかっています」と彼は言った。
同裁判所は「犯罪の極度の重大性や有罪判決を受けた人の個人的状況のため正当であるとされる場合」、終身刑の最高刑を課すことができる」と、ローマ規定として知られる同裁判所の設立条約に記されている。
それでも、ロシア政府は同裁判所の権限を認めず、17日にこの立場を強く再確認しており、プーチン氏が裁判に出廷する見込みは極めて低い。
ロシア大統領府ドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアはICCを認めず、その決定を「法的に無効」と見なすと主張した。彼はさらに、ロシアは同裁判所の措置を「理不尽であり容認できない」と考えると述べた。
プーチン氏はICCの逮捕状に則って彼を逮捕する可能性のある国々の訪問を避けるのかと質問され、ペスコフ氏はコメントを拒否した。
ウクライナのドミトロ・ルビネツ人権代表は、同国の国家情報局のデータによると、16,226人の子供が国外に送還されたと述べている。ウクライナが取り戻すことができた子供は308人である。
AFP