• イラクの捜査裁判所は、「大義の所有者（Owners of the Cause）」のメンバーとされる65人の逮捕を命じていた。

バグダッド：イラクの有力なシーア派聖職者で政治指導者のムクタダ・アル・サドル師は14日、一部信者の「不正」を理由に、自身が率いる運動を1年間停止すると発表した。

サドル派の中の「大義の所有者」と呼ばれるグループは、アル・サドル師こそイマーム・マフディ（1000年以上前に消えたと言われるシーア派の宗教指導者）であり、世界の悪を倒すために信者の軍隊を率いて戻ってくると信じている。

14日、イラクの最高司法評議会は、捜査裁判所が、破壊的な 「ギャング」と表現する「大義の所有者」のメンバーとされる65人の逮捕を命じたと発表した。

アル・サドル師は自身のツイッターに掲載した声明で、「私はイラクの改革者になりたいが、サドル派運動を改革することはできない 」と述べた。さらに、金曜礼拝などの宗教的な活動を除き、運動のすべての活動を凍結すると付け加えた。

アル・サドル師は昨年8月、約1年にわたる組閣の行き詰まりを受け、政界を退いた。同党は2021年10月の国会議員選挙で最多の議席を獲得したが、多数派政権を確保するほどではなかった。

イランの支援を受けるシーア派との交渉を拒否したアル・サドル師は、シーア派内の対立が激化する中、交渉から離脱し、同国を政情不安と不安定な状態に追い込んだ。

アル・サドル師が政界からの引退を表明した後、怒った数百人の信者が政府庁舎を襲撃し、治安部隊と衝突。少なくとも15人のデモ隊が死亡した。

アル・サドル師は、イラクの貧困層出身の信者の多くを、民族主義的なレトリックと改革を約束することで獲得していた。

支持者の多くは、シーア派イスラム教で尊敬されている彼の父親の最初の信者であった。

AP