
ジェッダ:サウジアラビア外務省は「湾岸署国およびエジプト、イラク、ヨルダンの外相が15日、シリア危機に政治的解決をもたらすことの重要性について意見を交わした」との声明を出した。
サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相が各国の外相を招き、非公式の協議がジェッダで開催された。会合後に出された声明によると、外相らは危機終結のためにアラブ世界が果たすべき主導的役割の重要性も強調した。
そして、そうした役割のために必要な仕組みを構築し、取り組みを確実に成功させるためにアラブ諸国が話し合いを重ねるべきだとの意見が出された。
声明によると、シリアがアラブ陣営に戻る可能性についても議題となった。
シリアはバッシャール・アサド大統領の激しい弾圧によって多方面で戦争状態となり、国が荒廃し、数百万人の難民が生み出された。そうした事態を受け、シリアは22か国からなるアラブ連盟の資格を停止された。
戦争の中で数十万人が死亡した。また外国勢力の多くの干渉を招き、国が分裂状態に陥った。
アラブ陣営にはシリア政府と関係を修復した国もあるが、広範な関係正常化についてはいくつかの国が神経をとがらせている。
今週はじめ、カタールのシェイク・ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニ首相は、2011年のシリアのアラブ連盟資格停止の根拠はいまだ有効だと述べた
トルコとシリアが壊滅的な地震に襲われた後、アラブ世界では関係正常化の機運が高まり、アラブ首長国連邦やオマーンはアサド大統領を受け入れた。
サウジアラビアはシリアの主要な同盟国であるイランとの関係修復後、シリア政府に対しては新たな取り組みが必要だと述べている。サウジとイランは大使館のすみやかな再開で一致している。
先週、ファイサル・ビン・ファルハーン王子とシリアのファイサル・メクダド外相がジェッダで会談し、シリア危機の政治的解決を探る必要性を表明した。
15日の協議において、外相らは「シリアの連帯・安全・安定・領土を保全するような」政治的解決を見出すことが重要だと述べた。
声明では、人道危機の解決および、シリア全土に支援を届けるための適切な環境の整備、シリア難民が元の場所に戻るために必要な条件の重要性についても外相が一致したとしている。
さらに、あらゆる形態・組織のテロと戦い、薬物密輸・取引について対策する必要性も強調されている。そして、国の機関が「領土内でのシリアの主権を維持し、武装民兵を壊滅させ、外国勢力による内政干渉を終わらせる」必要があると述べている。
取材協力:ロイター