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パレスチナおよびヨルダンで反米・反イスラエルデモが激化

パレスチナのデモ参加者とともに立つラマッラー市のメルキト・ギリシャ典礼カトリック教会主任司祭Abdullah Yulio掌院(左)。デモ参加者は「忌々しい『世紀の合意』を打倒せよ、パレスチナの永遠の首都はエルサレムである」とアラビア語で書かれたプラカードを掲げている。ラマッラー市にて。(AFP)
パレスチナのデモ参加者とともに立つラマッラー市のメルキト・ギリシャ典礼カトリック教会主任司祭Abdullah Yulio掌院(左)。デモ参加者は「忌々しい『世紀の合意』を打倒せよ、パレスチナの永遠の首都はエルサレムである」とアラビア語で書かれたプラカードを掲げている。ラマッラー市にて。(AFP)
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09 Feb 2020 03:02:09 GMT9
09 Feb 2020 03:02:09 GMT9
  • イスラエルの治安維持部隊の強硬なやり方に、パレスチナ人から反発が起きている。

Daoud Kuttab

エルサレム:エルサレムの天気は荒れ模様であるにも関わらず、火曜日に開かれたイスラム教徒にとって三番目に重要な聖地であるアル=アクサー・モスクでの夜明け前の礼拝には、二週連続で何万人ものパレスチナ人が足を運んだ。集会は午後の礼拝まで続いた。

アラブ系イスラエル市民によれば、警察はエルサレムの各地にある聖地から、自分たちの搭乗するバスを遠ざけているという。

1月28日、ホワイトハウスで発表されたアメリカとイスラエルの中東和平案へのパレスチナ人の抗議活動に対するイスラエルの治安維持部隊の厳しい取り締まりに、パレスチナ人から反発が起きている。水曜日以降、警官を含む四名のパレスチナ人が殺害されている。西岸地区のジェニンで三名、エルサレムで一名だ。

エルサレムのシュアファット難民キャンプ出身で「エルサレム知識人フォーラム」代表のTalal Abu Afifeh氏は、アラブニュースの取材にこう答えた。「皆モスクで礼拝をし、アメリカとイスラエルの案に抗議するために来ているのです。パレスチナ人の希望を打ち砕き、私たちの権利を踏みにじり、宗教上の聖地を侵犯する今回の案に対して反対する運動が、非占領地の各地で起こっています」

イスラエル警察の代表であるMiki Rosenfeld氏がアラブニュースに語ったところによると、アル=アクサー・モスクでは「通常どおり火曜日の礼拝が行われた」。モスクのある現場は、ユダヤ人には「神殿の丘」と知られる。

Rosenfeld氏はガリラヤからのパレスチナ市民を乗せたバスが追い返されたという報道については聞いていないとした上で、次のように説明した。「エルサレムの旧市街ではセキュリティ対策を強化しています。ここ24時間以内にエルサレムで二件のテロ攻撃が起きており、これ以上事件が発生することを防ぐ必要があるためです」

ネタニヤフ首相に近いとされるIsrael Today紙は、イスラエルの治安維持部隊にはパレスチナ人デモ参加者に対する「毅然とした、しかし思慮深い対応」を求めた。また「パレスチナのインティファーダが再び起きないように」、連帯責任を負わせるようなことは避けるべきであるとした。

ヨルダンでは、何十人ものデモ参加者が、アメリカの案に抗議するためにアメリカ大使館の前に集まった。アメリカ政府は同案を「今世紀最大の合意」であると自賛している。

激しい雨にも関わらず、連合戦線の呼びかけに応じた人々は「私はパレスチナのために怒り、ヨルダンを守る」と題されたデモに参加した。デモ参加者たちは、ドナルド・トランプ米大統領の肖像を掲げ、アメリカは「テロ国家」であると主張した。

ヨルダンの主導的な代議士であるSaleh Armoti氏はこう語る。「私たちは、今回の案を支持したアラブ連盟およびイスラム諸国の消極的な姿勢に反対です。また、この厳しい時期にネタニヤフ首相と会談したスーダンの指導者を非難します」

またArmoti氏は、アンマンにあるアメリカ大使館は「スパイの巣窟」と化しているとし、ヨルダンへの新しいアメリカ大使の任命を承認しないよう、ヨルダン政府に呼びかけた。

商業都市であるザルカでは、デモ参加者がアメリカとイスラエルの国旗を燃やし、「人々はパレスチナの開放を望んでいる」と唱えた。

現在ニューヨークを拠点とする外交問題評議会のメンバーで、元在イスラエルアメリカ大使のMartin Indyk氏は、今回の争いの激化の直接的な原因はアメリカの案であるとツイートで述べた。「トランプの『今世紀最大の合意』による死亡者数は増えつつあります」と彼は書き込んだ。「トランプは双方に自制を促す必要があります。しかしトランプは自らの案から広がった炎にさらに油をそそぐのではないかと私は危惧しています」




エルサレムの旧市街にあるアル=アクサー・モスクに集まるパレスチナ人。2020年2月7日撮影。(AF)

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