
カイロ:エジプトの考古学当局は27日、首都カイロ近郊にある古代エジプト王のネクロポリス(共同墓地)で最近発見したとする当時の作業場と墓を公開した。
それらの遺跡は、ユネスコの世界遺産に登録されているエジプトの古都メンフィスの一部であるサッカラの、広大な埋葬地で見つかった。
考古最高評議会のモスタファ・ワジリ事務局長によると、作業場は人間や神聖な動物をミイラ化するために使用されていたとし、エジプト第30王朝(紀元前380年〜同343年)とプトレマイオス朝(紀元前305年〜同30年)の時代にさかのぼるものだという。
考古学者らは作業場の中で、ミイラ化の作業に使われたと思われる土鍋やその他の品々、儀式用の容器などを発見したと、ワジリ事務局長は伝えた。
一方、サッカラ遺跡の責任者であるサブリ・ファラグ氏によると、墓はエジプト古王国期の高官と、同新王国期の神官のものであったという。
エジプト政府は近年、新たな考古学的発見を外国メディアや外交官らに積極的に紹介してきた。2011年の蜂起により政治的混乱に見舞われた産業を復興させるため、こうした発見をきっかけに、より多くの観光客が足を運んでくれることを期待しているのだ。
AP