• 心臓病、がん、糖尿病の重要な治療薬を含む数百種類の医薬品が数カ月間不足していると薬局は述べている
• チュニスの医師ドゥハ・マーウイ・フーラティ氏は、「薬不足の問題は、患者にとって非常に難しいものになっている」と述べた

チュニス：チュニジアの患者たちは、国が財政難で輸入量を減らしているため、一部の医薬品の入手に必死に奮闘しており、医師たちは悪化する健康問題を制御できないままである。患者は薬を入手するために非公式の市場に足を運んでいる。

薬局によると、心臓病、がん、糖尿病などの重要な治療薬や、慢性症状を緩和する薬用目薬など、数百種類の医薬品が数カ月にわたって不足しているという。

「薬不足の問題は、患者たちにとって非常に過酷なものとなっています。ジェネリック医薬品が存在しない医薬品があることは、本当に問題です」と腎臓と血圧の病気を専門とするチュニスの医師、ドゥハ・マーウイ・フーラティ氏は語った。

フーラティ氏は、チュニジアでは良い代替品がないと同氏が語る、危険な不整脈・腫れ・凝固を抑えるために使用される薬剤を含め、欧州からの入手を患者に依頼しなければならなかった。

フーラティ氏の悩みは、悪化するチュニジアの財政問題が一般市民を直撃し、基本的なサービスさえ維持できない国家に対する国民の怒りに拍車をかけていることを物語っている。

昨年来、チュニジアは補助金付きの価格で販売されている他の商品の支払いに苦慮しており、外貨準備高が輸入額の130日分から93日分に減少したため、パン、乳製品、食用油の不足が断続的に発生している。

チュニジアは国際通貨基金（IMF）による19億ドルの救済を希望しており、救済がなければ公的債務がデフォルト（債務不履行）に陥る可能性があると格付け会社は警告しているが、カイス・サイード大統領はこの取り決めの主要条件を拒否しており、支援国側は協議が滞っていると述べている。

チュニジアは、国営の中央薬局を通じてすべての医薬品を輸入しており、中央薬局は全国の病院や薬局に医薬品を提供し、患者たちに補助金付きの価格で医薬品を供給している。

チュニジアの薬局企業連合の代表であるナウフェル・アミラ氏は、糖尿病、麻酔、がん治療など、数百種類の医薬品が入手できなくなったと語った。

アミラ氏とメディアへの発言許可がないため匿名で話した中央薬局の2人の職員は、中央薬局は外国の供給業者に多額の借金があり、その対応としてチュニジアへの販売を制限していたという。

「問題は主に金銭的なものです」とアミラ氏は語った。

アミラ氏によると、中央薬局は供給業者に対して約10億ディナール（3億2,500万ドル）の借金があるという。当局者によると、中央薬局には約8億ディナールの借金があり、公営保険会社や病院が最大で1年間も支払いを遅らせていると付け加えた。

チュニジアの保健省および中央薬局は、コメントの要請には応じなかった。

医薬品交換所
退役軍人のナビル・ブキリ氏は、チュニスの自宅屋上で地元の医師たちと連携して、近隣に非公式の医薬品交換所を営業してきた。「薬を手に入れるために、毎日何十人もの人がここに来ています」と同氏はいう。

同氏は、海外渡航者や治療が終了した人の残薬から薬を調達し、処方箋を提示した人には無料で調剤している。

ロイターがブキリ氏にインタビューしていた時、甲状腺疾患で薬を必要としている女性が現れた。ナジャ・グアドリ氏は、「1週間以上この薬を飲まずにいた」と語り、「この薬がないと調子が悪いと感じる」と付け加えた。

チュニスの実家で、アブデサラム・マラウニ氏は、薬用目薬がないために失明の危険があり、外出もままならず、大学での法学の勉強を断念せざるを得なかった、と語った。

「この国は、もはや一箱の薬さえも供給することができません」と、憧れのサッカークラブのポスターが飾られた質素な実家で、数メートル先の物も見えない状態で彼は嘆いた。

25歳の彼は、6カ月間この薬や代替品を見つけることができず、チュニジアの薬局で購入して合理的に使用する場合よりもはるかに多額の費用を払い、海外渡航中の人々から供給を受けなければならなかった。

マラウニ氏の父カマル氏は、国が医薬品を輸入できないことが息子の前途にいかに大きな打撃を与えているかを語りながら、涙を流した。

「私たちは、国にお金や壮大な住みかを求めてはいません。私たちはただ薬だけを求めているのです。それが求めすぎなのでしょうか」と同氏は語った。

ロイター