Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • イラク、過激派組織ダーイシュの家族を収容するキャンプから自国民を送還するよう各国に要請

イラク、過激派組織ダーイシュの家族を収容するキャンプから自国民を送還するよう各国に要請

イラクのバグダッドで、ダーイシュ戦闘員の家族が住むシリアのアルホル・キャンプに関する会議に出席するイラクのカシム・アル・アラジ国家安全保障顧問(2023年6月12日)。(ロイター)
イラクのバグダッドで、ダーイシュ戦闘員の家族が住むシリアのアルホル・キャンプに関する会議に出席するイラクのカシム・アル・アラジ国家安全保障顧問(2023年6月12日)。(ロイター)
Short Url:
13 Jun 2023 08:06:58 GMT9
13 Jun 2023 08:06:58 GMT9
  • 会議に出席したイラクのカシム・アル・アラジ国家安全保障顧問は、「イラクはこの数週間で、アルホル・キャンプから1396世帯、5569人の国民を本国へ送還した」と述べた。

バグダッド:イラクは12日、過激派組織ダーイシュに関連する数万人が収容されているシリアの広大なキャンプが「テロの源」になっているとし、各国に自国民を送還するよう要請した。

この発言は、シリア北東部のアルホル・キャンプについて議論するバグダッドでの会議中に行われた。同会議にはイラク政府関係者、国連イラク代表、国際的な反ダーイシュ連合の一部メンバー、数カ国の大使が出席した。

イラク国境近くの町にちなんで名付けられたアルホル・キャンプは、シリアの12年にわたる紛争が残した傷口である。2019年3月にダーイシュがシリアで敗北した後、何万人もの人々がこの施設に連行された。

このキャンプには約5万1000人が暮らしており、その大半はダーイシュ戦闘員の妻や未亡人などの家族を含む女性と子どもで、主にシリア人とイラク人である。

また、「アネックス」と呼ばれるキャンプ内の一画には、その他の60国籍の女性や子ども約8000人が暮らしている。彼らは一般に、キャンプ住民の中で最も熱心なダーイシュ支持者と考えられている。

キャンプの子どもたちは、母親から過激派思想を教えられているとの懸念がある。専門家は、アルホル・キャンプから将来世代のダーイシュ戦闘員が生まれる可能性があると警告している。

イラクの国営通信によると、イラク外務省のアフマド・サハフ報道官は、「アルホル・キャンプの問題を終わらせることは、イラクにとって最大の関心事となっている」と述べた。

サハフ氏は、このキャンプがダーイシュの集会の「危険な発生地」となっていることから、キャンプに暮らす国民がいるすべての国に対し、「最終的にキャンプを閉鎖するために、できるだけ早く彼らを送還する」よう国際社会に呼びかけた。

会議に出席したイラクのカシム・アル・アラジ国家安全保障顧問は、「イラクはこの数週間で、アルホル・キャンプから1396世帯、5569人の国民を本国へ送還した」と述べた。それにもかかわらず、約2万5000人のイラク人がこのキャンプに残っており、全体の半分近くを占めている。

このキャンプの人口は7万3000人から減少しているが、その主な理由は何千人ものシリア人とイラク人の住民が帰国を許可されたためである。しかし、他の国々は、2014年にダーイシュがイラクとシリアの大部分を掌握した後、同組織に加わるために渡航した自国民の引き取りには、おおむね二の足を踏んでいる。

2017年にイラク、2019年にシリアで敗北したにもかかわらず、ダーイシュの潜伏工作員は未だに両国で破壊的な攻撃を続けている。アルホル・キャンプの内部では、過去数年にわたり、陰惨な犯罪が行われてきた。

今月初め、米国が支援しクルド人が主導するシリア民主軍は、イラクのダーイシュ戦闘員50人をバグダッドに引き渡したと発表した。また、キャンプで暮らしていたイラク人170人を本国に送還したという。

シリア北東部のクルド人主導の自治体は、キャンプから自国民を送還するよう、何年も前から各国に働きかけている。

先週、米国のアントニー・ブリンケン国務長官はサウジアラビアで国際的反ダーイシュ連合の外相会議を共催し、その中で、シリアとイラクの安定化努力のため、米国が新たに1億5千万ドル近い資金を提供すると発表した。

AP

特に人気
オススメ

return to top