
ベイルート:12日早朝、シリア北部でのトルコ軍による砲撃が1台の車両に命中し、ロシア兵1人が犠牲になり、他に数人が負傷した、とシリアのクルド系メディアと反体制派の戦争監視団が報告した。
12日の砲撃は、米国が支援するクルド人戦闘員とシリア北部にいるトルコ軍との間で抗争が起きた日に続いて行なわれた。報告された砲撃について、ロシア軍、シリア政府、トルコ当局から直接のコメントはなかった。
英国に拠点を置く反体制派のシリア人権監視団からの報告によると、トルコ軍がアレッポ県ウム・ホーシュ村とエルベル村を結ぶ道路を砲撃した際、ロシア兵1人が死亡し、他4人が負傷した。
シリアのクルド人半自治地域のハワール通信社は、ロシアの車両に直撃したと報じ、死傷者が出たと付け加えたが、詳細は明らかにしなかった。別のクルド系通信社であるノース・プレスは、ロシア軍兵士1人が死亡し、3人が負傷したと伝えた。
トルコ国防省は12日、トルコ軍がトルコを標的とした迫撃砲攻撃に報復した後、シリアの主要なクルド人民兵である人民防衛部隊(YPG)のメンバーと疑われる少なくとも12人を殺害したと述べた。
同省はツイッターで、クルド人武装勢力が11日にシリア北部のジブリーン基地とトルコ南部のオンクピナル地域を攻撃したと述べた。基地やトルコ兵に被害はなかった。
同省によると、トルコ軍は11日の報復攻撃で少なくとも7人、12日には5人の過激派容疑者を殺害した。
監視団は、10日遅くに行なわれたトルコのドローン攻撃によりYPG戦闘員3人が犠牲になり、2人が負傷し、それが翌日の砲撃につながったと報告した。
クルド人主導のシリア民主軍報道官のシアマンド・アリ氏がAP通信に語ったところによると、今月トルコで実施された大統領選挙以来、トルコ軍はシリア北部のクルド人支配地域への攻撃を強化している。同氏は12日の攻撃についてはコメントしなかった。
ロシアは2015年にシリア内戦に参加し、シリアの反体制派武装勢力に対する空爆作戦を開始し、以来シリア政府軍が国の大部分を制圧するのを支援してきた。
シリアの12年にわたる紛争は、50万人近くの死者を出し、戦前の人口の半分にあたる2,300万人が避難を余儀なくされた。
AP通信