• 占領中のヨルダン川西岸地区、ラマッラー付近で6月1日に起きた銃撃事件で、2歳児のモハメド・アル・タミミさんが頭に致命傷を受けた
• パレスチナ外務省は事件を犯罪行為とし、責任を追及した

イスラエル軍は14日、2週間前にパレスチナ人幼児を殺害したイスラエル人兵士は武装勢力と誤認して銃撃に及んだ、と発表し、その原因は他の兵士が規則に違反して空中に発砲したことで生じた混乱だとした。

占領中のヨルダン川西岸地区、ラマッラー付近で6月1日に起きた銃撃事件で、2歳児のモハメド・アル・タミミさんは頭に致命傷を受けた。父親は肩に銃撃を受けた。パレスチナ外務省は事件を犯罪行為とし、責任を追及した。

イスラエル軍は調査結果報告の中で、パレスチナ武装勢力が夜、ユダヤ人居住区を警備する兵士らに向けて銃撃したとの主張を繰り返した。

付近を捜索していた軍士官が「不審な車両を発見し、空中に向けて発砲した」ことで、それを聞いた兵士がタタミさんの載る車を武装勢力が逃走に用いていたものと考え、銃撃に及んだ。

調査では、原因は指揮官の間で意思疎通を適切に行われず「誤った意思決定」が下されたことであるとして、空中に発砲した士官は内務規定違反で懲戒を受ける予定である、と声明で発表された。

パレスチナ外務省は声明で、この調査結果を「パレスチナ人の血を流すことを最も醜い形で軽視し、合法化するもの」と非難した。

パレスチナ人が国家設立を目指す地域の一部であるヨルダン川西岸地区ではこの15ヶ月で戦闘が急速に激化している。

イスラエルの人権団体イェシュ・ディンは、2017年から2021年までの軍事記録を調査して、イスラエル人兵士がパレスチナ人に対する犯罪の疑いで送検されたうち、起訴に至ったのは1パーセント未満に過ぎないと発表した。

ロイター