
ベイルート:火曜日、レバノンのデモ隊と治安部隊がベイルート中心部にある議事堂近くで衝突した。同議事堂では、新内閣が新任投票を前に、施政方針を提出する予定になっている。
レバノンではここ数十年で最悪レベルの壊滅的な経済・金融危機が発生している中で、会議が開かれた。警察はこのエリア周辺に厳しい治安捜査網を敷き、特殊部隊や機動隊は手際よく、内閣の大臣や国会議員らが議会に近づこうとするのを阻止しようとデモ隊が封鎖した道を開けた。
デモ隊の一部は「不信任」とシュプレヒコールをあげた。会議は正午前に始まり、水曜日まで続く予定だ。
レバノンでは、10月以降、反政府デモで混乱が続いてきた。デモ隊は全面的な改革と、腐敗していて無能だと彼らが見なしている政治階級の廃止を要求しており、急速に悪化する金融危機は彼らのせいだと批判している。デモにより、サード・ハリーリー前首相は辞任に追い込まれた。
ハッサン・ディアブ新首相は、新しい政府の施政方針演説を行う予定で、この中には、レバノンを1975年-90年の内戦の終結以降では最悪となる経済・金融危機から抜け出させる救済プランが含まれる。
内閣の大臣の1人、デミアノス・カッタールが近くの政府本部へと向かう途中に彼が乗る車を取り囲んだあるデモ隊グループは、卵を投げつけ、拳で叩き、その後、軍と警察の部隊が彼らを排除した。
治安部隊はデモ隊らが巨大なコンクリートの壁の一部の撤去に成功した議事堂へと続く別の通りに催涙ガスを発射した。別の通りでは、車の往来ができるように、通りの真中からデモ隊らを引きずり出した。
地元メディアが公開した政府の施政方針演説のコピーによると、「緊急救済プラン」と、司法、財政、行政の分野での改革と共に、汚職との闘いや、国の財政再建などが含まれるという。
レバノンの負債比率は、GDPの150%以上と、世界で最も高い水準の1つとなっており、成長しない経済と高い失業率により、ここ数年間で悪化している。
ロイター通信