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国連総長、ジェニン襲撃でのイスラエルの過剰な武力行使を非難

2023年7月6日、占領下のヨルダン川西岸地区にあるジェニン難民キャンプで、イスラエルの大規模な軍事作戦の後、住居内の損傷を確認する少年。(AFP)
2023年7月6日、占領下のヨルダン川西岸地区にあるジェニン難民キャンプで、イスラエルの大規模な軍事作戦の後、住居内の損傷を確認する少年。(AFP)
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07 Jul 2023 06:07:02 GMT9
07 Jul 2023 06:07:02 GMT9
  • グテーレス氏はイスラエルに、国際法の下での義務を遵守し、人命を尊重・保護するよう要請
  • パレスチナの国連大使は、襲撃の後、国際社会が「いつも通りだ」というような対応をすることは許されず、状況に対処するための実質的な措置が講じられなくてはならないという

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク市:6日、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、占領下のヨルダン川西岸地区にあるジェニン難民キャンプで今週行われた2日間の襲撃における、イスラエル当局による過剰な武力行使を非難した。

この作戦で、5名の子どもを含む、少なくとも12名のパレスチナ人が死亡した。また、4,000人以上が避難を強いられ、家屋やアパート、その他のインフラが損傷した。

グテーレス氏は、ジェニンからの報道に心を痛めているとして、次のように述べた。「テロ行為を含む、市民に対するあらゆる暴力行為を強く非難する。人々が密集して暮らす難民キャンプにおけるイスラエルの空爆と地上作戦は、ヨルダン川西岸地区における過去何年もの間で最悪の暴力行為だ」

非難は明白にイスラエルとその活動に向けたものなのかを明らかにするよう求められた同氏は、こう述べた。「非難は過剰な武力行使に向けてのもので、今回の状況では明らかに、イスラエル軍による過剰な武力の行使があった」

同氏はさらに、次のように述べた。「自制し、相応の武力だけを用いる義務、損傷と被害を最小限にとどめる義務といった、国際法の下での義務を遵守し、人命を尊重・保護するよう、改めてイスラエルに要請する」

「空爆の使用は、法執行活動の実行とは相容れないものだ。また、占領者として、市民があらゆる暴力行為から守られるようにする責任があることを、イスラエルに改めて指摘する」と、グテーレス氏は述べた。

「自国の安全に関するイスラエルのもっともな懸念」は理解するとしながらも、「対立激化は解決策とはならず、ただ過激化を助長し、暴力と流血の連鎖の深刻化につながるだけだ」と、同氏は強調した。

そして、次のように述べた。「二国家解決と占領の終結につながる有意義な政治的プロセスを通じて、パレスチナの人々の希望を回復させることが、イスラエルが自国の安全のためになすべき不可欠な貢献だ」

5日、パレスチナのリヤド・マンスール国連大使は、ジェニン襲撃を受けて、「いつも通りだ」というような対応をしないよう国際社会に求めた。

同氏はニューヨークでアラブニュースに対し、「実質的な措置、つまり、いつもの立場の再表明や会議の招集、声明の発表以外のもの」を期待すると述べ、「実質的な措置を講じることが必要だ」と語った。

マンスール氏は、国連で開始した事務総長や安全保障理事会議長、イエメン・レバノン・アラブ連盟を含むアラブ諸国の大使たちとの会談といった、相次ぐ外交活動の中で、意義ある対応の要請を行った。

グテーレス氏は、「イスラエルに軍を派遣できると考えるのは現実的ではない。イスラエル政府がその可能性に同意するとは思えない。しかし、この劇的な状況の中で市民の保護を可能にする仕組みを見つけ出す必要があると考えている」と述べた。

国連の人権専門家らは5日に、イスラエルのジェニンにおける活動は「国際法と武力行使の基準に対する甚だしい違反であり、戦争犯罪ともなりうる」と述べた。

2002年に行われたジェニンキャンプの破壊以来の最も激しい攻撃と評される今回の襲撃では、報道によると、救急隊員たちの立ち入りが許されず、それによって負傷した人々への手当てが妨げられたという。

グテーレス氏は、全ての負傷者が治療を受けられるようにしなくてはならないと述べ、人道活動従事者たちが助けを必要とする全ての人々のもとに行けるようにすることを要請した。

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