
エルサレム: イスラエルの諜報機関シンベットは、11日、イラン人によるスパイ行為を阻止したと述べた。同機関は、監視装置を隠したとされるティッシュボックスを持ってイスラエルに空路到着したユダヤ系イラン人を拘留し、その後国外追放した。
シンベットによれば、イスラエル国内に親類を持つその男は、ベン・グリオン空港での事情聴取において、イラン警備隊のために、ターゲットとされるイスラエル人らをスパイする目的で同国に来たことを認めたという。また、発見時に男は携帯電話、モバイルバッテリー、現金を所有しており、入国を拒否され、イランへと国外追放された。
「今回の事件は、イスラエル国内にスパイネットワークを構築しようと試みるイランによる大掛かりなたくらみの一つだ」とシンベットは声明を発した。
ニューヨークのイラン国連大使はコメントを求められるも、直ちに応じていない。
容疑者が起訴されずに国外追放とされた理由を問われ、保安担当者はロイターに対し、当機関の他の活動をも考慮する中で、容疑者の行為は強要されたものであり、金銭的に動機付けられたものだと判断したと述べた。
担当者はまた、容疑者はイスラエルの市民ではないことから、法的手段に訴えることの実効性は低いと付け加えた。
イスラエルとイランとは破壊活動や暗殺計画について相互に告発し合っており、何十年もの間、影の戦争から抜け出せずにいる。
世界ユダヤ人会議によると、1979年のイスラム革命直前には80,000人程のユダヤ人がイランに在住し、その後多くが国を去ったが、このイスラエル人コミュニティは、現在もイスラエル国外では中東最大規模であるという。
ロイター