• パレスチナ人による襲撃が相次いだことを受け、イスラエルは毎晩のように急襲を実施した

テルアビブ、イスラエル：イスラエル軍は17日、ヨルダン川西岸地区北部の過激派拠点に対して急襲を実施し、パレスチナ人男性1人を殺害した。パレスチナ保健省が発表した。現在のイスラエル・パレスチナ紛争における最悪の流血を経験している都市でまたもや起こった暴力事件となった。

今年春、パレスチナ人による襲撃が相次いだことを受け、イスラエルはヨルダン川西岸地区で毎晩のように急襲を実施した。それ以降、同地区を暴力が席巻している。その暴力は過去約20年で最も激しい衝突へとエスカレートしており、過激なユダヤ人入植者による暴力の激化やイスラエル極右政権による入植地拡大と共に、地域の緊張を煽っている。

パレスチナ保健省によると、殺害されたパレスチナ人男性はムスタファ・アル・カストウニ氏（32）だという。この男性が過激派組織に所属していたかどうかは現時点では明らかでない。過激派組織ハマスは、同組織の戦闘員がジェニンでイスラエル軍と銃撃戦を行い、同軍に向け爆発物を投げたと発表した。

イスラエル軍は今のところコメントを出していない。

パレスチナ治安部隊がほとんど展開していない都市であるジェニンは長年、イスラエルに対する武装闘争の拠点となっている。同市および隣接する難民キャンプはイスラエルの何ヶ月にもわたる作戦の対象となっており、それは先月の2日間にわたる激しい攻撃で最高潮に達した。イスラエルは武装ドローンと数百人の部隊を展開し、広範囲に破壊をもたらすとともにパレスチナ人12人（大半は過激派）を殺害した。イスラエル軍兵士も1人死亡した。

イスラエルは、これらの急襲は過激派ネットワークを解体し今後の攻撃を阻止することを意図したものだとしている。パレスチナ側は暴力について、イスラエル政府による入植地建設拡大やユダヤ人入植者による暴力激化を含む56年にわたる占領に対する当然の反応だと考えている。

ヨルダン川西岸地区で続く暴力は、過去20年近くで最悪のレベルにまで激化している。AP通信の集計によると、2023年に入ってからイスラエル軍に射殺されたパレスチナ人は170人以上に上る。

イスラエルは、死者の大半は過激派だとしているが、侵入に抗議して投石した若者や、衝突に関与していなかった人々も殺害されている。

一方、今年に入ってからパレスチナ人のイスラエル人に対する襲撃により少なくとも27人が死亡している。

イスラエルは1967年の中東戦争で、ガザ地区および東エルサレムとともにヨルダン川西岸地区を占領した。パレスチナ人は将来の独立国家のためにこれらの領土を求めている。

AP