
ジュネーヴ:スーダン国軍のトップが4月の内紛勃発以降初めて、首都ハルツーム外の軍事基地を視察している。国連はそのような中、この戦争は地域全体を人道的大惨事に陥れかねないと警告した。
政府筋2人によると、アブドゥルファッターフ・アル・ブルハン将軍は地方の基地や臨時政府所在地のポートスーダンを訪問後、近隣諸国での話し合いのためにスーダンを離れる意向である。
国軍トップのブルハン将軍は閣議の議長を務める予定だという。
国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月15日以降、ハルツームやその他数都市の支配権をめぐって戦っている。
ブルハン将軍は24日、(RSFが封鎖したと主張している)国軍本部から姿を現した。また、同将軍がナイル川対岸の都市オムドゥルマンにいるところが動画や写真に捉えられている。
国軍は25日、ブルハン将軍がハルツーム北方のナイル川州にあるアトバラ砲兵基地を視察する様子を撮影した動画を公開した。動画の中で同将軍は歓声を上げる兵士らに担がれている。
ハルツームおよび西部のコルドファン地方やダルフール地方では国軍とRSFが戦っているが、中部、北部、東部地方は平穏を保っており、国軍の支配下にある。
仲裁の試みは実っておらず、外交官らによると両陣営は今でも自分たちが勝てると思っている。400万人以上が家から避難し、基本サービスは崩壊し、ダルフールでは戦闘がRSFおよび同盟民兵組織による特定の民族を標的とした攻撃へと移行している。
国連のマーティン・グリフィス事務次長(人道問題担当)は25日、「この広がる紛争とそれがもたらした飢餓、病気、避難民は、今や国全体を飲み込む恐れがある」と述べた。
同事務次長は声明の中で、ハルツームのすぐ南にあるスーダンの穀倉地帯ジャジーラ州で戦闘が拡大することを懸念していると述べた。RSFは既に同州に侵攻している。
「何十万人もの子供たちが深刻な栄養失調に陥っており、治療を受けられなければ死に至る危険が迫っている」
さらに、麻疹、マラリア、デング熱、急性水様性下痢などの疾病が拡大していると指摘した。
ロイター