• 30歳のサファ・アエリ氏は治安部隊によって一家の出身地であるイラン西部のサケズで逮捕されたが、連行先は不明である

パリ：9月5日、イラン当局はマフサ・アミニ氏の死後1周年を前に彼女の叔父を逮捕したと、同日にメディアが報じた。アミニ氏はその拘留中の死が数か月にわたる抗議デモの発端となった若いイラン系クルド人女性である。

30歳のサファ・アエリ氏は治安部隊によって一家の出身地であるイラン西部のサケズで逮捕されたが、連行先は不明である。クルド系住民への弾圧を監視する人権団体Hengaw、フランスを拠点とする「クルド人権ネットワーク」（Kurdistan Human Rights Network）、抗議デモ監視団体「1500タスヴィル」（1500tasvir）の3者がそれぞれ声明を出して明らかにした。

Hengawによると、イラン当局は車両5台から成る車列に乗り込んだ治安部隊員を派遣してアエリ氏の住居に強制的に立ち入ったが、いかなる法的な書類も提示しなかった。

イラン国外に拠点を置くメディアによると、サケズの町ではアミニ氏の死後1周年を前に厳戒態勢が敷かれている。ホテルは部外者の受け入れをしないよう指示され、アミニ氏の墓地周辺を含め、新たに監視カメラが設置されている。

アエリ氏の逮捕は、アミニ氏の命日である9月16日を前にして活動家たちがデモ弾圧を強化する政府への批判を強める中で起きた。22歳だったアミニ氏は、亡くなる数日前に女性向けの厳格な服装規定に違反したとして逮捕されていた。

アミニ氏の死に続いて起こった抗議デモはイラン当局を揺るがしたが、現在は弾圧の前に沈静化している。人権団体によれば、デモ弾圧で数百人が殺害され、国連の集計では数千人が逮捕された。

アムネスティ・インターナショナルを含む団体はイランがデモ中に殺害された人々の家族を沈黙させてさらなる抗議デモの発生を防ぐために逮捕・尋問しているとして非難している。

AFP