
ベイルート:イランが後ろ盾となるレバノンのヒズボラが17日、ガザ地区の病院への空爆を非難する「怒りの日」を呼びかけたところ、抗議する数百人のデモ参加者がフランス大使館やアメリカ大使館に集まった。
パレスチナのイスラム主義勢力ハマスの同盟勢力であるヒズボラは、病院への空爆を「大量虐殺」や「残忍な犯罪」と呼び、イスラエルを非難している。一方、イスラエル軍は、ガザを拠点とする別の武装勢力「イスラム聖戦」によるロケット弾の誤射であると非難した。
イスラエルと交戦中の武装組織ハマスが実効支配するガザの保健省は、避難したガザの市民が身を寄せているガザの病院をイスラエルが空爆し、少なくとも200人が死亡したと発表した。
ヒズボラは声明の中で、同胞のイスラム教徒やアラブ人に対し、「明日18日を敵に対する怒りの日とする。直ちに通りや広場に出て強い怒りを表明せよ」と呼びかけた。
AFP特派員によると、アウカル郊外の米国大使館前では、ヒズボラの呼びかけを受けて抗議する数百人のデモ参加者が投石をしたり建物に火をつけたりして、レバノン治安部隊と乱闘になった。
警察がデモ参加者を追い散らすために催涙ガスを数発発射。医療従事者が呼吸困難な人を手当するために駆けつけた。
特派員によると、「アメリカに死を」「イスラエルに死を」と叫ぶデモ参加者の多くが、パレスチナ人が着用するケフィエ(スカーフ)で顔を覆っていたという。
ベイルートのフランス大使館にも数百人が集まり、ヒズボラの旗を掲げ、大使館の正面玄関に積まれていた石を投げつけた。
レバノンのパレスチナ人派閥が18日、病院への空爆を非難する大規模な集会を呼びかけると、レバノン南部の都市シドンやタイヤのパレスチナ人難民キャンプでは怒りが爆発した。
ナジーブ・ミカティ暫定首相は、18日を国を挙げた追悼の日にすると表明した。
AFP