Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • Home
  • レバノン、女性判事たちが銀行と対決

レバノン、女性判事たちが銀行と対決

ガーダ・アウン判事は以前、外国為替取引法違反事件の捜査から外されている。(ツイッター写真)
ガーダ・アウン判事は以前、外国為替取引法違反事件の捜査から外されている。(ツイッター写真)
Short Url:
30 Apr 2021 05:04:23 GMT9
30 Apr 2021 05:04:23 GMT9
  • ガーダ・アウン、アマニ・サラメ、ラニア・ラーメ3人の判事全員が、ここ数週間でレバノンの大手銀行に不利な判決を下した

ナジア・フッサリ

ベイルート:レバノンの2人の裁判官、ガーダ・アウン判事とアマニ・サラメ判事は、最近一夜にして英雄となった。権力の腐敗を訴えて蜂起した若者たちの支持を得たのだ。

29日にラニア・ラーメ判事も3番目に英雄の仲間入りをした。彼女はビブロス銀行に、2億レバノン・ポンド(約13万3000ドル)の罰金を科す判決を出した。海外留学中のレバノン人大学生に授業料を送金するように命じた自身の判決に従わなかったためだ。この判決の基になったのは、昨年10月に議会で可決されたが銀行側が従っていない「学生ドル法」だ。

報道によるとラーメ判事の判決は、銀行に学生ドル法を強制的に順守させるためレバノン司法機関が下した罰金刑として初となるという。

とある司法筋はアラブニュースに対し、SNSや一部メディアで3人の判事による判決が英雄的だと持ち上げる様は「小石の集まりとポピュリストのパレード」だと評した。司法筋によると、3人の出した判決は上訴審で棄却される可能性が高いという。

反政府活動家のハッサン・バッツィ弁護士は、銀行に不利な判決が出たことは、3人の判事全員が所属する「レバノン裁判官協会」が腐敗と闘っており、司法の独立を求めていることの表れだと述べた。

「3人の裁判官に政治的意図はありません」とバッツィ弁護士は述べた。「彼女たちは大衆に寄り添っているのです。豪華な建物で執務する政治家たちと付き合わず、政界の大物の賛同を求めることはありません。彼女たちのことはよく分かっています」

続けてこう述べた「若い判事たちには勇気があります。判決が上訴審で棄却されるというのは正確ではありません。女性裁判官の出した判決が上訴審で確定した実例はたくさんあります」

ベカー県で初の捜査判事となったサラメ判事は、28日に被告がレバノン国内外に所有する株式・不動産・現金の差し押さえを命じる判決を下した。

サラメ判事の判決は市民団体「改革を求める国民運動」に所属する預金者たちが、銀行の頭取たちを訴えた裁判でのことだった。預金者たちは銀行が「信義違反、詐欺、怠慢および詐欺的破産、様々な詐欺的行為、預金者に損害を与える資金の持ち出し、国家の財政的信用の低下、マネーロンダリング、許可を受けない外国為替取引、犯罪組織の設立」を行ったとして告訴していた。

レバノンの銀行では2019年末のドル不足危機以降、ドル預金口座を凍結し国際送金を禁止した。

銀行は1ドル3900レバノンポンドの為替レートに基づき、凍結された預金をレバノンポンドで支払うと決定し、1度の引き出し額に上限を設けた。当時の闇マーケットでの為替レートは公式レートの3倍だった。

活動家や弁護士たちはSNS上でサラメ判事の判決が「刑事事件で銀行とその取締役会が告訴される歴史的先例」になると評している。しかし裁判官の中には今回の判決の重要性を軽視する者もいる。

サラメ判事は、2019年10月の蜂起の際に設立されたレバノン裁判官協会の代表者だ。裁判官が加入する既存組織とは別団体だ。

レバノン裁判官協会は物議を醸している。2020年8月のベイルート港爆発事故を受けて、声明を出し有名になった後は特にそうだ。サラメ判事は声明で、司法機関が「不在」であり「政治家の圧力に屈して職責を果たしていない」と非難した。

判事はさらに「最高裁の検察官と金融検察庁が銀行と結託し、疑わしい銀行口座の捜査を怠っている」と非難した。

サラメ判事が銀行の頭取たちに対し下した判決は、レバノン山岳県で上訴裁判所の検察官を務めるアウン判事の目に留まった。アウン判事は以前最高裁検察官の決定に「反抗した」として最高司法評議会から告訴されている。決定では彼女を外国為替取引法違反事件の捜査から除外し、多数の告訴状が出されたことを受けて司法調査を受けるよう命じていた。

アウン判事はここ2週間にわたり物議を醸している。自由愛国運動(FPM)の支持者と共に、メカタフ外国為替取引商会のオフィスを立ち入り捜索したためだ。

最後に捜索が行われたのは19日の真夜中だった。この時アウン判事は、彼女の後任に指名されたセイマー・リーシャ判事が会社の敷地内にいるのに気づいた。

伝えられるところによると、アウン判事がその場にいたのはリーシャ判事が事件に取り掛かるのを防ぐためで、自身に対して出された決定については一切気にしていないと説明したという。

アウン判事は、この時の行動により一般国民から相当な支持を集めている。

自由愛国運動の活動家たちはアウン判事が「国民感情を代弁し国民の利益を重んじて判決を下すという点で、男性裁判官よりも勇敢だ」と評している。

しかしアウン判事は、他の活動家や著名人から追放運動を受けている人物でもある。

特に人気
オススメ

return to top