サウジアラビア全体で大きな変化が起こっていますが、中でもスポーツ・ブルバード財団のCEOである私にとって大きな重要性を持つのが、女性のスポーツ参加です。王国での参加率は2015～19年に150パーセントという驚異の伸びを見せ、今では6000人以上の女性アスリートがいます。次なるステップは、すべてのサウジ女性にスポーツを開放するためのインフラの整備です。

近年、サウジの女性はサッカーやバドミントンといった競技で国内・国際大会に参加し、素晴らしい結果を残しています。

国際女性デーを祝福するとともに、世界のフィールドで国を代表しているサウジ女性の姿を見ると勇気を覚えます。変化は草の根レベルでも起きており、公立学校で女生徒に体育が導入されたり、女性スポーツクラブに助成金が出されたりしています。こうした変化によって、さらなるサウジ女性がスポーツに参加していくでしょう。

私には、サウジの共同体で誰もが（女性や少女でも）利用できるインフラをもっと整備することで、女性のスポーツ参加を促すという使命があります。だからこそ、スポーツ・ブルバードの設立を前向きに主導してきたのです。これは、サウジアラビアの「ビジョン2030」の一環として立ち上がったリヤドのメガプロジェクトの1つです。

スポーツ・ブルバードによってリヤド全体で50か所のスポーツ施設が整備される予定で、サウジの首都を世界随一の健康的で住みやすい街にします。ほとんどの住人が車やタクシーで移動している街にとって、画期的な出来事となるでしょう。街の構造を大きく変えるとともに、住人も訪問者も、男女に関係なく、すべての年齢層や能力の人が大衆スポーツを始めるきっかけとなります。

スポーツ・ブルバードの第一段階における建設作業はかなり進んでおり、こうした野心的なビジョンを実現するための進展を見ると心が踊ります。

この国の最も素晴らしいプロジェクトの1つを率いる女性指導者として、私は女性たちが関心の対象を追求する力を得られるように情熱を注いでいます。しかし、必要なインフラや施設がなければ女性はスポーツを楽しむことができません。スポーツ・ブルバードはサイクリング、ランニング、ウオータースポーツ、乗馬、スケートボードなど50以上の競技について、新しい趣味を学び、健康的なライフスタイルがもたらす恩恵を享受するための空間をすべての人に提供します。

筆者：ジェイン・マクギバン（スポーツ・ブルバード財団CEO）