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チャールズ国王:明確なビジョン、架け橋の建設者、剣の舞踏家

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06 May 2023 05:05:40 GMT9

チャールズ国王の戴冠式は、世界中の誰もがこの重要な転換期に思いをはせる機会だが、我がサウジアラビア王国のように君主制をとる国にとっては、特に重要だ。

両国における君主制の性質や役割は異なるが、重要かつ肯定的な側面をいくらか共有している。両国で君主であることは、個人に変わって国民を導くという深い献身を示しており、両国でそれは、国民の利益とニーズに対する君主の長期的な視点によって証明されている。

その一例が、チャールズ国王の生涯にわたる環境への関心だ。長年にわたり、彼は英国および世界の人々がどのように自然遺産を保護するか想像力豊かに考えるよう導き、同時にその築かれた遺産を守り、強化することに関心を向けてきた。

この前向きなビジョンは、現在、非常に先進的と見なされ、世界中、とりわけサウジアラビア王国でますます反映されつつある。2021年、我らの皇太子であるサウジアラビア王国のムハンマド・ビン・サルマン殿下は、炭化水素からの排出を60%以上削減することを約束した「中東グリーンイニシアチブ」を発表した。翌年には中東全域に500億本の木を植えることを約束、そのための資金も提供することで、これをフォローした。

両国における別分野の協力強化には、伝統美術工芸学校への支援がある。これはチャールズ国王がサウジアラビア王国で創立した「スクール・フォー・トラディショナルアート」のネットワークを通じて行われており、ジェッダと歴史上非常に有名なアル・ウラーにある。

チャールズ国王が長年にわたってサウジアラビアを訪問してきた理由は、君主間の共通理解にあるのかもしれない。これらの訪問は、私のように両国に個人的なつながりを持つサウジアラビア人にとって非常に重要であると同時に、国や宗教の壁を越えてつながりを築くという国王の生涯の信念を反映している。

また、これらの訪問ではチャールズ国王の軽妙な一面も見られた。2014年の訪問の際には、サウジアラビアの伝統的な剣舞であるアルダを、サウジ王室のメンバーと一緒に踊る時間を設けている。誰の目にも彼は立派に振舞っていたが、何よりも、自国以外の文化を受け入れ、理解しようとする彼の強い意志が、世界各地への数々の訪問に表れている。

この点においても、チャールズ国王は自国をはるかに超える影響力を持つリーダーシップと理解力を示している。一方で本人も認めているように、即位後の役割は必然的に変化するが、世界の国々と人々の距離を縮める能力が衰えることはないだろう。

チャールズ国王は、自国をはるかに超える影響力を持つリーダーシップと理解力を示している。

ハーリド・ビン・バンダル・アル・サウード

土曜の戴冠式を、英国人の妻、2人の娘と私は心待ちにしている。英国君主制という不朽の制度や、君主の任務を受け継ぐ素晴らしい人物についてだけでなく、両国間の深まりつつある永続的な絆についても考える機会となるであろう。

経済、安全保障面において、我々はかつてないほど緊密な関係にあるが、近年、我々の国民が訪問しやすくなったことで、個々の英国人とサウジアラビア人とのつながりが増え、その結果、深い理解が生まれている。

駐英サウジアラビア大使として、チャールズ国王陛下の末永いご繁栄とご多幸をお祈り申し上げます。また、両国の架け橋となるべく、長い生涯をかけて行ってこられたすべてのことに感謝いたします。

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