国際エネルギー機関（IEA）が公表した、2050年までにネットゼロを達成するための計画を概説する最近の報告書は、世界中で激しい議論を巻き起こしてきた。

「2025年までにネットゼロ：世界のエネルギー部門のためのロードマップ」と題された文書は、世界のエネルギー部門が二酸化炭素排出量を削減し、ネットゼロに移行するためのロードマップを描いたもの。興味深いことに、IEAはこの報告書の中で概説されている各目標の達成を、組織の歴史上において困難な仕事だと認めている。

IEAは、各目標を達成するためには、政府、企業、投資家、一般市民を含む全ての利害関係者があらゆる手を尽くさなくてはならないと考えている。IAEによれば、全ての目標が無事達成されるまで、全利害関係者が継続的努力をしなくてはならないという。

しかし、アナリストらは、IEAの報告書で立てられた仮説は世界のエネルギー供給を混乱させると思われると上、供給不足を引き起こす可能性もあると考えている。

サウジアラビアが、人類のより大きな利益のために二酸化炭素排出量を削減する複数の方策を実施していることは注目に値する。世界一の石油産出・輸出国であるサウジアラビアは、世界のエネルギー安全保障の確保を目的とした政策を掲げてもいる。

気候変動の影響軽減を目指し、サウジアラビア政府はスムーズにクリーンなエネルギー源へ移行できるようにするために四六時中取り組んでいる。しかし、途切れることなくスムーズに化石燃料を世界に供給するため、政府の政策は現実的で公平な科学的知見に基づいている。

サウジアラビアは、2060年までのネットゼロ達成を誓い、2030年までに年間278トン以上の二酸化炭素排出削減を実現するため取り組んでいる。同国の取り組みの基礎となる3つの柱は、環境保護、持続可能なエネルギー供給、気候変動の悪影響への持続可能な取り組みによる対策だ。

気候変動と効果的に闘う取り組みの一環として、サウジアラビアは循環型炭素経済国家プログラムを開始し、ローカライゼーションと技術の進歩を含む包括的ロードマップの作成を進めている。

また、今後数十年の間に100億本の植樹と4000万ヘクタールの土地の回復を目指すサウジ・グリーン・イニシアティブも開始されている。このイニシアティブは、ビジョン2030計画に沿った排出量の相殺、生活の質向上、環境保護のための同国の取り組みをサポートするものとなるだろう。

サウジアラビアは賢明でバランスのとれた各イニシアティブを通じて、気候変動と二酸化炭素排出との世界的な闘いの中でバランスの良い取り組みを採用するエネルギーの安定供給源として台頭してきた。

ビジョン2030の始動以来、サウジアラビアは特有の環境課題への対策において目覚ましい進歩を遂げてきており、排出量ネットゼロ達成への献身における先駆者となっている。

サウジアラビアは、クリーンなエネルギー源を取り入れるための複数のイニシアティブを通じて、二酸化炭素削減において世界トップクラスの国となっている。

同国は、クリーンエネルギーへのスムーズな移行を成し遂げるための取り組みにおける真剣さを世界に示してきた。

• タラト・ザキ・ハフィズ氏は経済学者で金融アナリスト。ツイッター： @TalatHafiz