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中国がイランに投資するチャンスを掴む

22 Sep 2019
2019年5月17日に北京の釣魚台国賓館で中国の王毅外相(右)がイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相と会談した時のファイル画像(Thomas Peter/Pool/ AFP)
2019年5月17日に北京の釣魚台国賓館で中国の王毅外相(右)がイランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外相と会談した時のファイル画像(Thomas Peter/Pool/ AFP)

イランとアメリカの緊張が高まる中、イラン政府と中国政府の協力は、1979年のイスラム共和国建国以来最高のレベルに到達している。中国とイランは、戦略的、軍事的、地政学的な3つの前線で、関係を強化している。

8月下旬、イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣が中国の王毅外務大臣と会談した。会談の主な目的は、二国間の戦略的パートナーシップ関係をいかに高めていくかについてのロードマップを作成することだった。雑誌Petroleum Economistによると、中国は、石油、ガス、石油化学産業を含むイランのエネルギー分野に2800億ドルの投資をする計画だと宣言したという。中国政府はまた、イランの産業インフラに1200億ドルの投資を約束した。加えて、中国は大規模な中国のプロジェクトの安全を確保するため、イスラム共和国に最大5,000人の警官を配備する予定だ。

報じられているところによると、協定の最初の5年間に実施される予定のこれらの巨大投資は、イランと中国の新たなレベルの協力関係を決定づけることになる。

これは中国政府にとっても、イラン政府にとっても、経済的なチャンスとして見るのが当然だ。アメリカがイランのエネルギー分野に壊滅的な制裁を加えたおかげで、中国としては、イランの石油、ガス、石油化学の分野で利益を得る上での競合相手が少なくなったのだ。

抜粋見出し:ヨーロッパ各国の政府や企業は、アメリカの制裁の影響により、イランのエネルギー分野への投資に二の足を踏んでいる

ヨーロッパ各国の政府や企業は、アメリカの制裁の影響により、イランのエネルギー分野への投資に二の足を踏んでいる。フランスの石油業界大手のトタルのような大企業は、トランプ政権が再び制裁を課すと、すぐさまイランでのプロジェクトを打ち切った。加えて、西洋の企業は、EUの新たな特別目的事業体があったとしても、すぐにはイラン市場に再び参入しようとはしないようだ。

この中国の巨額投資の見返りとして、イランの指導部は石油、ガス、石油化学製品を中国政府に低価格で販売することで合意した。中国はイランからの石油、ガス、石油化学製品の購入に関して合計で約32%の割引を受けられるだけでなく、米ドルを使って支払う必要もない。このことは、人民元またはその他の「使い勝手のいい通貨」で支払えることから、中国にとって有利だ。

イランは世界第2位の天然ガス埋蔵量と第4位の原油の確認埋蔵量を有し、これらの資源の売り上げは、輸出収入の80%以上を占めている。しかし、イスラム共和国はなぜ前例のない中国へのこれほどの譲歩をすることに同意したのだろうか?

主な理由は、イラン政府が現金を喉から手が出るほど求めているということだ。ハサン・ロウハーニー大統領が昨年末に出した予算案によると、イランの収入の3分の1は、石油輸出から得る見込みだったようだ。イラン政府は今年度210億ドルの石油収入を生み出すことを望んでいた。

これは、イスラム共和国がその支出を賄うために、オイルマネーに大きく依存しているという事実を浮き彫りにしている。アメリカがイランの体制により強硬なスタンスを取る前は、1日に350万バレル以上を輸出していたが、同国の石油輸出はこれ以降劇的に下落した。イランの体制が全く石油や天然ガスを輸出できないとなると、当局が中東のあちこちに展開する民兵や代理部隊、テロ組織に資金提供、賛助、支援し続けることは極めて難しくなるだろう。

言い換えると、イランの指導部は、イエメンのフーシ派やイラクのシーア派民兵、そしてヒズボラなどのグループへの財政支援を大幅に削減するか、あるいは安全に停止せざるを得なくなるということだ。また、これらの民兵が運営やイランの利益を促進するのに必要な資金を受け取れないとなると、彼らはその力を失い始め、ばらばらになることもあるかもしれない。その他の民兵組織もイスラム共和国への忠誠心を失い始め、他の金蔓を見つけようとするだろう。しかし、最近の合意を通して、中国はイランからの石油の輸入を拡大し、イラン最大規模の石油・ガス田での石油生産量の増加に投資をすることで合意した。

中国とイランが協力関係を強化するもう1つの理由は、アメリカに対する共通の憎しみだ。

アメリカ政府と中国政府の間で貿易戦争が続き、アメリカがイランの神権政治体制に「最大限の圧力」を使った政策を課すことにこだわる中、両国はお互いにアメリカに対する一撃を加えるという意味で、より近い関係性を目にしている。イラン国会のアリー・ラーリージャーニー議長が先月指摘したように、「イランと中国の間の協議や特定の友好国との協力は、アメリカの敵対意識に対抗し、その結果を和らげるのに役立てることができる」。

さらに、国連安全保障理事会の理事国として、また、核合意の維持を強く擁護する国として、中国は国際的な舞台でイラン政府のためにさらなる影響力を与えることができる。

結論としては、米中貿易戦争とアメリカのイランに対する制裁の意図しない結果の1つは、中国政府とイラン政府間の経済的、政治的、戦略的関係の強化だということだ。中国は、イランを統治するムッラーがアメリカの制裁を逃れるのを支援することに、責任を負わなければならない。

  • Majid Rafizadeh博士はハーバード大学で学んだイラン系アメリカ人政治科学者。イランとアメリカの外交政策の第一人者で、実業家、インターナショナル・アメリカン・カウンシルの会長。ツイッター:@Dr_Rafizadeh
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