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パレスチナ人はアメリカ人キリスト教徒の支援を求めるべきだ

26 Jun 2020
エルサレムで支援のデモを行う「親イスラエルキリスト教徒連合」のメンバー(ロイター通信)
エルサレムで支援のデモを行う「親イスラエルキリスト教徒連合」のメンバー(ロイター通信)
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福音派キリスト教徒は、アメリカの人口3億2800万人の約25%を占めている。しかし、その数が比較的少ないにもかかわらず、福音派キリスト教徒は、人口の65%以上を占めるアメリカのキリスト教徒コミュニティーの「声」となっている。

福音主義的な過激派は、全てのアメリカ人キリスト教徒が、ユダヤ人以外の者、特にキリスト教徒とイスラム教徒のパレスチナ人を差別する60以上の法律を政府が採用するユダヤ人国家であるイスラエルを支持しているという、誤った認識のけん引力となっている。アメリカでは、認識(正しくても間違っていても、人々がそれが現実だと信じていること)が真実(事実によって正確で検証可能なこと)よりも優先される。

パレスチナ人がアメリカ人キリスト教徒のより大きな基盤につながりを持つことができれば、彼らはイスラエルに対するアメリカの盲目的な支持を抜本的に見直し、その右寄りの政策を弱体化させることができる。そして、それが可能であると信じる理由がある。昨年のピュー研究所による研究によると、アメリカ人キリスト教徒の大多数がイスラエルを「好む」の一方、同数がパレスチナ人のことも「好む」ことが判明した。これはアメリカ人キリスト教徒の心をつかむ戦いにおいて、イスラエルは勝利から程遠いことを示している。

実のところ、イスラエルはパレスチナ人よりも、より声高なキリスト教活動家、特に急進的な福音主義者による支持のほうを好むのだ。しかしピュー研究所による報告書によると、アメリカの福音主義者の3分の1はイスラエル人と同じくらいパレスチナ人を支持しているという結果も示している。

イスラエルはアメリカの福音主義者をもろ刃の剣と見ている。イスラエルは福音主義者からの支持を歓迎する一方、福音主義者がイスラエルを支持する理由について彼らが広める根本的なメッセージを激しく嫌悪している。福音主義者がイスラエルを支持するのは、筋金入りの原理主義信奉者によると、イスラエル王国が再建されるまでは、救済とイエス・キリストは人類に戻ることができないからだ。しかし、ユダヤ人はこのようなことを信じていない。彼らは福音主義者の支援を受け入れることで何を犠牲にするのか?何も犠牲にしないのだ。彼らにとっては政略結婚のようなものだ。

真の問題は、欧米のキリスト教徒とアラブ世界のキリスト教徒の間にある深い断絶である。アメリカ人キリスト教徒は、単にアラブのキリスト教仲間との親和性がないだけだ。そのためこのような質問に対する答えを求めていない。「キリスト教徒はイスラエルを支援するためこれほど多くのことをしているのに、なぜイスラエルはキリスト教徒の土地を盗み、ここまで激しく差別するのか?」アメリカのキリスト教徒は、アラブ人キリスト教徒の存在を考えない傾向にある。そのため彼らのイスラエル支持を弱めるような争いはない。これは変わらなければならないが、変わらない。私がパレスチナ系アメリカ人の評議会において全国会長を務めていた際、私のリーダーシップに対する抵抗は、ハマスを支持するイスラム教徒と、「キリスト教徒とイスラム教徒の間に違いはない。我々は皆同じだ」と主張する穏健なイスラム教徒の両方から来ていた。私は各方面からの激しい怒りをかうことなく、パレスチナ人キリスト教徒やアラブ人キリスト教徒の懸念に取り組むことはできなかった。

アラブ系アメリカ人に対する反差別委員会の全国理事を務めていた私は、ユダヤ人の妻を持つパレスチナ人キリスト教徒であるという理由で、過激派から標的にされた。これこそ彼らが議論を避けようとした「究極の裏切り」だったのだ。

これらの問題に対処することに対して私が持つ不満は、アメリカにいる主流のアラブ人やパレスチナ人が、キリスト教・イスラム教の問題に関与することを避けようとすることによりさらに増大した。彼らは、アラブ人キリスト教徒をより大きなアメリカ人キリスト教徒の精神の中に入る方法として見るのではなく、彼らの小さな集団の政治的信念の間にある邪魔な存在として見ていた。

一部のキリスト教団体は、このような困難にもかかわらず非常に勇敢にイスラエルに対し立ち向かっている。2017年7月、17のキリスト教会からなる団体は、巨大テクノロジー企業のヒューレット・パッカードがイスラエルによる人権侵害を支援していることを理由に、ヒューレット・パッカードに対するBDS運動(ボイコット、投資撤収、制裁)を支持した。その団体には、キリスト連合教会(80万人以上の会員がいる)、ユニテリアン・ユニヴァーサリズム(20万人)、長老教会(130万人)、バプテスト連盟(6万5千人)クエーカー教徒信託(9万人)、アメリカメノナイト教会(7万人)などが含まれていた。

アメリカ人キリスト教徒の心をつかむ戦いにおいて、イスラエルは勝利から程遠い。

レイ・ハナニア

アメリカ人キリスト教徒は、アメリカのイスラエルを盲目的に支持する姿勢を変え、イスラエルの民間人に対する残虐行為に世界の目を向ける力を持ってるが、行動するものは誰もいない。なぜならこれらの問題について誰も彼らを教育する者がいないためだ。アラブ世界はこの話題を完全に避けている。多くの親パレスチナ活動家は、穏健派キリスト教パレスチナ人の政治をイスラエルの政治と同じくらい憎んでいる。アラブ系アメリカ人の多くは、この話題を完全に避けようとする。

結局のところ、アメリカ人キリスト教徒からの支持はイスラエルが考えていることであり、アラブ人は考えていない。そして、アメリカの外交政策がイスラエルを国際法の支配から守る最も影響力のある勢力であり、アメリカが未だキリスト教徒が多数派を占める国家であることを考慮すると、これは悲劇的である。

もし本当にイスラエルとパレスチナに関するアメリカの政策に真の変化をもたらしたいと思うのであれば、その方法は、アメリカのキリスト教徒の心を介して行うことだろう。

  • レイ・ハナニアは、受賞歴のある元シカゴ市役所の政治記者であり、コラムニストでもある。彼の個人的なウェブサイト(www.Hanania.com)から連絡できる。ツイッター:@RayHanania
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