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ヒズボラがハリーリー元首相判決を前に不安定な立場に

2005年2月14日レバノンのベイルートにて、ラフィーク・ハリーリー元首相を殺害した自動車爆弾直後。(ロイター)
2005年2月14日レバノンのベイルートにて、ラフィーク・ハリーリー元首相を殺害した自動車爆弾直後。(ロイター)
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07 Aug 2020 10:08:13 GMT9

ダニア・コレイラット・ハティブ博士

火曜日の死者を伴う爆発で、ベイルートの港では、レバノンの穀物の約85%を貯蔵する穀物貯蔵庫などが完全に破壊された。国は現在、トリポリの港に頼らなければならないが、国は主に輸入食品に依存しており、国の需要に応える設備を満たしていない。

これはレバノンにとって惨劇である。しかしながら、この惨劇は非常に緊迫した時期に起きた。爆発は国全体が待ちわびた日のわずか3日前に起こったのだ: 2005年のラフィーク・ハリーリー元首相暗殺に関する国際法廷の判決の日である。判決はまだ出ていないが、シリアのバシャール・アサド大統領とその同盟勢力ヒズボラが有罪となることが予想される。ヒズボラは、反発の声が高まるなか、しばらく不安定な状況にある。直近の猛烈な反発は、マロナイト総主教のマル・ビシャーラ・ブートロス・アル・ライ枢機卿によるもので、先月、ヒズボラがレバノンを地域危機に引きずり込んだと非難し、国の中立性を要求した。

ヒズボラは昨年から支持を失い、反発の増大に直面している。まず、10月17日に勃発した抗議行動で最も警戒されたのがこの組織だった。現在の勢力構造は、この組織活動に必要な支援を提供している。透明で非宗派的で責任ある政府へと向かう変化であれば、いかなるものでもヒズボラの弱体化につながるだろう。

組織は抗議を押しのける主体であった。ハサン・ナスルッラーフ氏とその同盟勢力であるアマル運動支持者は、通りに出て抗議者を攻撃して威嚇したが、政府は、多くの場合、軍を脇に追いやり平和的デモ隊の保護を阻止した。コロナウイルス(COVID-19)は政府にとって歓迎すべき恩恵であった。強制的ロックダウンにより抗議行動は抑制されたため、勢いを徐々に失い始めた。疲労と悲惨な経済状況により、各国民は国の集団的利益のための抗議よりも、基本的な食糧需要を満たすことを懸念した。

先月のジャン・イヴ・ル・ドリアン仏外相のレバノン訪問は、約束した改革の97%はすでに実施されていると主張し、フランスの改革要請を拒否したハッサン・ディアブ首相との衝突という結果となった。自身の業績を誇示する一方で、通貨がその価値の80パーセントを失い、人々が自分の銀行口座にアクセスすることができないこと、そして基本物資の価格が3倍になったことを言及することは怠った。一方で、国に残されたわずかな資金は助成燃料と小麦の輸入に使用されている。しかし、このような物資はヒズボラの同盟勢力であるアサドに密輸され、レバノンは停電により暗闇に陥った。国際援助を望んでいたレバノン国民は政府に失望させられた。政府は、さまざまな口実を利用し、国内通貨基金の要件への違反を正当化した。

ヒズボラが現況への責任回避のためにさまざまな手段を利用し、政府は必要な改革を実施しないことを大いに正当化してきたが、民衆の怒りが増大しており、ヒズボラはたびたび立場を守りきれないことを自覚している。人々は国がヒズボラに乗っ取られていると感じ、非常に動揺している。ヒズボラは、傀儡政権を強制し、改革と国際救援の主な障害となっている。

グループは法廷の判決を非常に案じて待っていた。政府はそのマスターの指示に従い、ヒズボラとアサドを有罪とする調査結果を却下しなければならず、それがさらに民衆の怒りを煽るので、非常な緊張下にある。 政府にとってさらなる抗議の波は全く不要であり、判決の影響を回避するために、木曜日に始まる再度の全国的ロックダウンを発表した。再びその完全な口実としてCOVID-19を利用したのである。

現在、すべてが評決に注目するなか、この大規模な爆発が発生した。それは単なる偶然であったのか。調査が行われるなか、爆発の直接要因は倉庫に安全に保管されていなかった化学物質だったが、このタイミングはそれが事故の可能性であるかを非常に疑わしくしている。

民衆の怒りが増大しており、ヒズボラはたびたび立場を守りきれないことを自覚している。

ダニア・コレイラット・ハティブ博士

激しいスピーチを予定していたナスルッラーフ氏は静粛にし、死者を悼んで演説を延期した。誰もが事故という説に納得しているわけではない。しかし、すべての代替説はヒズボラにつながる。ソーシャルメディアの一部は、ジェット音が聞こえ、イスラエルが組織の弾薬保管庫を攻撃したと伝えている。他のメディアは、「我々はあなたの仕業と知っている。」というタイトルとともに、煙の上部にナスルッラーフのターバンを重ねた爆発の写真を投稿した。彼らの論理的根拠は、爆発は公の言説を、判決から被災都市の救済へと移す戦術であったということである。

ヒズボラが設置した政府の過失による事故であるか、外部の役者による扇動であるかに関わらず、ヒズボラは非難されることになる。金曜日の評決に注目が向けられて、ヒズボラは不安定な状況にある。

  • ダニア・コレイラット・ハティブ博士は、ロビー活動に重点を置く米国アラブ関係のスペシャリストである。彼女は、エクセター大学で政治学の博士号を取得しており、米国のベイルート・アメリカン大学のイサムフェアズ公共政策および国際問題研究所に所属する研究者である。
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