Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • instagram
  • Home
  • 壊滅的な地震後のトルコの希望と恐れ

壊滅的な地震後のトルコの希望と恐れ

イズミルでがれきを片付けるボランティアたち。(AFP)
イズミルでがれきを片付けるボランティアたち。(AFP)
Short Url:
07 Nov 2020 08:11:12 GMT9
07 Nov 2020 08:11:12 GMT9

先週金曜日にトルコ第三の大都市イズミルで発生した甚大な地震は、多くの人々の心に忘れられないイメージを残した。これにより100人以上の命が奪われ、1,000人以上が負傷した。

遠く離れたアテネとイスタンブールでも揺れが感じられたマグニチュード7.0の地震に続き、局所的な津波が発生し、エーゲ海沿岸の多くの町を襲った。少なくとも17棟の建物が倒壊した。

しかし、衝撃波から2日以上たって、がれきの中からの生存者発見という希望が薄れつつあるときに、がれきから2つの小さな手が振られているのが見つかった。これはおそらく、奇跡を信じる理由を私たちに与えてくれた。地震から65時間ぶり、3歳の少女エリフちゃんが106人目の救出者となった。彼女の小さな指が救助隊員の手をしっかりつかんでいるという驚くべき写真は、私をはじめ人々の心に触れ、決して忘れられないものとなった。

エリフちゃんの頭を抱え、涙で汚れた頬にキスをした救助隊員は、「それは私たち全員にとっての素晴らしい贈り物だった」と述べた。ツイッターに投稿したメッセージの中で、トルコのファレティン・コカ保健相は救助隊を称賛し、次のように述べた。「エリフちゃんの救出は、命を救うための我々の戦いに希望と勇気の両方を与えた。命が再び勝ったのだ。」

エリフちゃんの救出は確かにトルコ全土に希望を与え、3日後でもまだ多くの人々が生存しているかもしれないという希望を与えた。実際にそうだった。4歳の少女が、地震から91時間ぶりにがれきの中から救出された。綺麗な緑色の瞳のアイダちゃんは地震で母親を亡くしたが、父親は前日に救助されていた。「奇跡の名前、アイダ」とトルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領はツイッターアカウントに投稿されたメッセージの中で述べた。「91時間ぶりのあなたの笑顔で新たな希望が与えられた。神に感謝する。」

アイダちゃんを救出した男性は、自分も彼女と同じ年齢の子供がいると語った。他の多くの英雄的救助者と同様、男性は東アナトリアの都市からイズミルへと移動し、都市の人々を助け、痛みを癒す活動に参加した。小さいながらも強い生存者であるアイダちゃんとエリフちゃんの写真が新聞表紙に掲載され、ソーシャルメディアユーザーもハッシュタグ#HalaUmutVarを使って画像をシェアした。これは「まだ希望がある」という意味である。

活断層上にあり、世界で最も地震活動が活発な地域の1つであるトルコでは、地震は珍しくない。残念ながら、地震はトルコの生活の一部であり、過去には壊滅的な地震に苦しんだ。調査によると、国の95パーセント以上で地震が発生しやすいことがわかっている。いつでも起こる可能性があり、人口の多い地域で発生することが多い。イズミルの災害は、イスタンブールやその他の地域を襲う大地震への恐怖を再び引き起こした。

1999年にマルマラ地方を襲った地震で約17,000人が命を落としたのを覚えている。トルコの多くの人々にとっても、私にとってもずっと心に残る恐ろしい災害だった。私は夏休みに家族とトルコを訪れており、地震が起こったとき、イスタンブール近郊の都市ブルサにいた。私たちは何日も路上で寝なければならなかった。テントで寝ている人々もいた。

当時、何が起こっているのかという認識を広めるソーシャルメディアがなかった。それは良いことだったかもしれない。なぜならトルコのイズミルの悲劇をきっかけに、トルコのソーシャルメディアが再び保守派と世俗派の間の激しい議論によって再び二極化されている、と聞いても驚くほどのことではないからだ。一部の過激派は、イズミルは非信者の都市であり、それゆえ人々が地震で「罰せられている」と述べた。内務省によると、このような見解をシェアした者は逮捕された。

一部の人々は当局を批判し、1999年の地震後に導入され、地震保護対策への資金となるはずの国の地震税で集まった税金全てがどうなっているのか説明を要求した。

将来さらにひどい悲劇を経験しないために、このような悲劇的災害から教訓を学ぶ必要がある。

シネム・センギス

一方、イズミル検察庁は、ビル崩壊に関連して9人を拘留したと述べた。これは的確で歓迎すべき決定であり、他者への見せしめとなるべきだ。さらに、トルコ議会は火曜日、地震被害を防ぐための対策実施という5政党の提案を受け入れ、調査委員会設立の動議を可決した。議会諮問委員会の会議中に、政党の副議長は、動議も混じえて議論することに合意した。野党が、過去数年間に地震対策を議論するため提案された動議が、与党によって拒否されたと批判したことを受けて行われた。

将来さらにひどい悲劇を経験しないために、このような悲劇的災害から教訓を学ぶ必要がある。悲劇を防ぐ力は自分たちの手中にあるのだ。

  • Sinem Cengizは中東とトルコの関係が専門のトルコ人政治アナリストである。Twitter:@SinemCngz

特に人気
オススメ

return to top