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核問題で、バイデンはすでにテヘランを怯えさせていたのか。

2021 年 1 月 29 日、ジョー・バイデン大統領、ロバート・マリーを、政権のイラン特別使節に指名した。( 記録、AFP)
2021 年 1 月 29 日、ジョー・バイデン大統領、ロバート・マリーを、政権のイラン特別使節に指名した。( 記録、AFP)
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31 Jan 2021 10:01:42 GMT9
バリア・アラマディン
31 Jan 2021 10:01:42 GMT9

北朝鮮、イラン、そしてベネズエラのような要注意国家は、たとえ非難や制裁といった形であっても、国際的な注意を惹くことを好む。それによって、そうした国々は、世界の舞台にとって彼らが重要であり、関係があると感じることができる。それゆえ、事実上テヘランを無視するという、バイデン政権の現段階の手法は、良い政策的判断となっている。

イランは今すべてに対処することを求められている。いつもの尊大な大言壮語に満ちた同国の外相と国連使節のうるさい論評、そして「我々の誓いに戻る」というハサン・ロウハーニー大統領の曖昧な発言への対応である。

同時に私たちは、気が滅入る位おなじみの注意を惹こうとする別の政策にもつき合わされている。例えば、核計画部門の再開や IAEA による核監査を阻止するという脅迫、リヤドを標的にしたイランの代理によるミサイル発射、イラン系アメリカ人実業家によるスパイ活動の有罪判決、アメリカの同盟国の韓国籍の船の拿捕である。

その一方で、イランが湾岸諸国との関係を修復しようとする小手調べは、愚かしいほどうわべだけのものに見える。未だテヘランでは、イラクとレバノンの追従者が、GCC の投資や関与に関するいかなる表明に対して、妨害工作を活発に行っており、イエメンにおいてはフーシ派による絶え間ない交戦が繰り広げられているのである。

バイデンが先頭に立って事に当たるだろうという当初の憶測の後、アントニー・ブリンケン国務長官は、長期戦に構えることに自信を示した。彼はこう話す。「数々の場面において、イランは法令から逸脱している。そして、これには時間がかかることだろう。法令を遵守することとし、それを実際に実行するという決定をして、それが確かに義務に見合ったものであるかどうか私たちが評価するための時間である。」指名承認公聴会で、ブリンケンは、トランプの外交方針の成功面を維持して行くことを分別深く主張した。これは、イランには先が思いやられることである。バイデンの新しいイラン使節、ロバート・マリーはすでに、ヨーロッパ同盟国の意見を聴くことで忙しくしている。

米国が最初に行動を起こすべきということについて、外相モハンマド・ジャヴァード・ザリーフが何を言おうと、義務を果たすように、イランに対しお願いしたり、おだてたりすることは、アメリカの立場ではない。制裁により体制を倒されることを回避したいと本当に望むのであれば、ボールはテヘランの法廷にある。現在は、直面している国内外の課題を考えた場合、バイデン政権にとっては比較的安心できる状況にある。

米国が慌てていないことは、自身の重要性を偽って誇張したテヘランにとっては打撃である。取り決めに対し、より必死だったのは、体制よりはいつもオバマの方であった。その結果は、必然的にしばしば一面的なものであった。アメリカはこの過ちを繰り返してはならない。にもかかわらず、B-52 爆撃機が上空を飛行することをバイデンが発表することは、米国が未だ関与し警戒を続けることを、確かに思い出させるものだ。

イラクはひどく困った状態にある。同国の経済は、4 年におよぶトランプの制裁により荒廃しており、社会は COVID-19 により壊滅している。イランの行動のどれ一つとして、強い立場によるものではない。資金を海外の準軍事組織と、核および弾道 ( ミサイル ) 計画に提供し続けるため、同市民は飢えに苦しんでいる。深刻な現金不足は、こうした計画にも嘆かわしいほど資金が足りていないということを意味するにもかかわらず、である。

蹴り、怒鳴り、核爆弾に繋がるあらゆる道を永久に閉ざさせる取り決めのための交渉のテーブルに、イランを引きずり出す。その時機がアメリカの手の中にある。

バリア・アラムディン

核計画に関して、国際社会がパニックに陥り、急いで交渉の場に戻ることをテヘランは望んでいる。しかし、ことはそれほど単純ではない。これらの計画には法外な資金が必要で、昨年の一連の攻撃にも関連があった。攻撃は、おそらくイスラエルによるものだ。イスラエルは、大量の建設作業をさらに必要としており、イスラエルによるこうした妨害工作は、今後も続くであろうと思われる。また、シリア全域を超えてイラン関連の施設に対するイスラエルの毎日の空爆によって、テヘランの貴重なミサイルや軍用品貯蔵庫が激減していることも、忘れてはならない。

イスラエルとアラブ諸国の和解に呼応して、イランは同地域にまたがる「レジスタンスの軸」を強化する取り組みを倍加させているように見える。イスラーム聖戦、ハマース、ヒズボラ、そしてアサド体制に働きかけ、政治、金融、軍事、そして文化面でより緊密に協働している。

バイデンとブリンケンが、性急な核の取り決めには関心がない様子を抜け目なく装う一方で、イランによる地域破壊と不安定化は許容できないことを警告する緊急事案と決定を計画していることは間違いない。親仏として名高いブリンケンが、EU 諸国と統一戦線を打ち立てて、こうした課題、とりわけレバノンの絶望的な政治危機に取り組むことは、容易に予想できる。

イランの「レジスタンス」勢力は、前代未聞の弱体化と分裂に面している。ヒズボラやイラク市民軍に対する、市民のあからさまな蔑視がこのような形で起こっているのを、これまで目にしたことがない。とりわけシーア派の共同体内で、アヤトラー・スィースターニーのような、( レジスタンスの ) 影響を減らそうと活動する人物がいる地域ではそうである。イラン自体も、組織化された宗教に背を向ける傾向が決定的である。体制の堕落した指導者が、政治的利益のためにどれほどイスラム教を歪めているか、ということを考慮したとしてもそうである。

アメリカはイランに対し、近い将来無効となる、取り決めの重要条項の多くにある大きな欠陥を修復する誓約を新たに要求する必要がある。蹴り、怒鳴り、核爆弾につながるあらゆる道を永久に閉ざさせる取り決めのための交渉のテーブルにイランを引きずり出す。その時機がアメリカの手の中にある。

またイランは、同国地域の準軍事組織やテロ基盤を解体する必要がある。こうした譲歩が、イランと GCC、アラブ諸国の間における多面的な取り決めの中にあるとすれば、関係国すべての安全保障上の懸念への取り組みに向け、大きな役割を果たすことになるだろう。それは、テヘランの安全保障に関する永年の信条、帯状の隣国を占領し、支配することを通じてのみ、母国の大地を守ることができるという信条を弱めるものである。

湾岸諸国は、新たな核の取り決めについて意見を求める必要がある、とマクロン大統領は話す。また、ブリンケンは、世界の安全保障を保証する均衡ある図式の一環として、GCC との緊密な提携の必要性を強調する。中東地域全域の安定は、最重要と位置付け続ける必要がある。そして、シリア、イラク、イエメンおよびレバノンという重要な舞台において、攻撃的なイラクの支配を減少させるためには、これはまったくその前提である。

それゆえ、バイデンが、中東に置ける長期の安定と平和を統合しようとするのであれば、核の問題、およびイランの地域における主戦論への取り組みが必要であることは、考えるまでもないことである。

  • バリア・アラムディンは、受賞歴を持つジャーナリストで、中東およびイギリスのアナウンサーである。彼女は、メディア・サービス・シンジケート (Media Services Syndicate) の編集者で、数々の国の首脳にインタビューをした経験を持つ。
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