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中東版NATO

21世紀3回目の10年の始まりである今こそ、イランの脅威に対抗して中東地域の安全と安定を確保するため、アラブとイスラエルによるNATOを結成する時期なのかもしれない。ロナルド・S・ローダーは主張する。
21世紀3回目の10年の始まりである今こそ、イランの脅威に対抗して中東地域の安全と安定を確保するため、アラブとイスラエルによるNATOを結成する時期なのかもしれない。ロナルド・S・ローダーは主張する。
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01 Mar 2021 03:03:30 GMT9
01 Mar 2021 03:03:30 GMT9

ロナルド・S・ローダー

ここ数週間、私は中東の世論形成者や政策立案者らと何度も話をしてきたが、彼らは皆、心配している。

イランは長距離、巡航、精密誘導ミサイル開発のため総力をあげ取り組んでいる。これは地域の安定を脅かすものであり、彼らは懸念しながらその動向を追っている。

イランが国際社会に対して度重なる挑発行為を行い、2015年の包括的共同作業計画(JCPOA)の合意を逸脱していることについて、彼らは不安を抱きながらその動きを注視している。

イランがJCPOAの合意から逸脱し、ウラン濃縮(濃縮度20%)を再開し、国際原子力機関(IAEA)査察官による核施設への立ち入りを制限している様子を、彼らは恐る恐る見ている。

そしてイランによる挑発的で危険な動きを止めることができない欧米諸国の無力さに愕然としながら、それを沈思している。そして多くの人がアメリカとヨーロッパへの信頼を失っている。ロシアや中国に頼ることを考えている者もいる。そして彼らは皆、現在不穏で悲惨な状況にあり、重大な岐路にあることを認識している。

しかし、これらの会話の中で、今まで聞いたことのないような励みとなるような声も聞こえてきた。私が話をしたアラブ人のほとんど全員が、彼らが信頼している唯一の同盟国(対イラン)はイスラエルだと躊躇なく述べたのだ。そして、私が話をしたイスラエル人のほとんど全員が、(イランに対する)唯一の同盟国はアラブ諸国だと述べた。

私が話をしたアラブ人のほとんど全員が、彼らが信頼している唯一の同盟国(対イラン)はイスラエルだと躊躇なく述べた。そして、私が話をしたイスラエル人のほとんど全員が、(イランに対する)唯一の同盟国はアラブ諸国だと述べた。

ロナルド・S・ローダー

アラブ・イスラエル紛争が勃発して一世紀余りたち、今その紛争が真に終わりを迎えようとしている。エジプト・イスラエル平和条約が1979年に締結され、1994年にはイスラエル・ヨルダン平和条約が調印された。しかし、イスラエルとUAE、バーレーン、スーダン、モロッコが2020年に締結した和平協定は、ついに真の地域革命の到来を告げた。アブラハム合意にまだ参加していない他の穏健なアラブ諸国は、静かにイスラエルとの関係を深めている。イランに対する懸念が強まり、欧米諸国への疑念が深まるにつれ、アラブ諸国とイスラエルは、これまで以上に距離を縮めている。

彼らとのこの気分が晴れやかになる会話を終えて、私はこのように考えた。イランとの途方もない闘いと、この開花しつつあるアラブとイスラエルのパートナーシップを結びつける時が来たのではないだろうか。

アブラハム合意を超えて、さらに大胆な一歩を踏み出す時が来たのではないだろうか。アラブ諸国とイスラエルが戦略的同盟に乗り出す時が来たのではだろうか。

私は1980年代に国防総省に勤務しており、駐オーストリア米国大使を務めていた。そこで私は、ソ連の脅威に対抗し、欧州の安全と安定を確保するためにNATOが果たした重要な役割を目の当たりにした。21世紀3回目となる10年の始まりである今こそ、イランの脅威に対抗して中東地域の安全と安定を確保するため、アラブとイスラエルによるNATOを結成する時期なのかもしれない。

この新しい同盟である中東防衛機構(MEDO)の創設時参加国は、すでにイスラエルと条約等公式な関係を結んでいる中東諸国や北アフリカの国々となる可能性がある。それはエジプト、ヨルダン、UAE、バーレーン、スーダン、モロッコである。

他のアラブ諸国もすぐにアブラハム合意に参加するのではないかと楽観視している。

MEDOはまた、ギリシャ、キプロス、アフリカ諸国の安定を守り、急速な経済発展を促す目的で、ギリシャ、キプロス、一部のアフリカ諸国との緊密な関係を追求することもできる。これにより、イランに対する強靭な防波堤を築くことができる。その結果、トルコの帝国主義的野心を抑制し、過激主義とテロリズムと戦い、慎重かつ漸進的なイスラエルとパレスチナの和解を促進することができる。

昨年の歴史的な躍進を利用して、真に新しい中東を創造することができるかもしれない。

MEDOは、この地域の安定を求めるすべての国と、貧困や苦難から逃れようとするすべての国民の生活向上に一翼を担うことになるだろう。

そうすることで、このMEDOは間接的に欧米諸国と国際社会全体の利益にも貢献することとなる。つまり、一人の米軍や国連軍の兵士に頼ることなく、また他の世界の大国に頼ることなく、世界で最も危険な地域の一つを安定させることができるのだ。

中東版NATO設立に関する決定は、当然その地域の主権国家にのみ下されるものである。他の誰も、提案されたMEDOの枠組みを自身のものにするため、彼らに命令したり、強制したりしてはならない。しかし、私の個人的な印象では、地域戦略的同盟を設立する時が来ている。

悪意に満ちたイランの脅威が加速し、新型コロナウイルスにより世界が脆弱になっている今、自立への道もまた、唯一の前進の道であるように思われる。

イスラエルとアラブ諸国は、過激主義と核武装化という迫り来る大惨事から中東を救うために互いに協力する機会をつかむべきである。

  • ロナルド・S・ラウダーは世界ユダヤ人会議の会長である。
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