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アラブ世界、イスラエルがパレスチナ人の権利を尊重するよう仕向ける必要がある

エルサレムのシェイク・ジャラ地区で、イスラエルによる立ち退き計画に抗議する活動家たち、2021年3月19日。(AFP)
エルサレムのシェイク・ジャラ地区で、イスラエルによる立ち退き計画に抗議する活動家たち、2021年3月19日。(AFP)
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30 Apr 2021 11:04:07 GMT9
レイ・ハナニア
30 Apr 2021 11:04:07 GMT9

レイ・ハナニア

アラブ世界は、アラブ文化の中心であり、世界で最も広く信仰されている宗教の聖地であるパレスチナを除いては成り立たない。では、なぜパレスチナは、国際的な法の支配に対する明らかな違反を伴う単純な問題の取扱いにでさえ、これ程苦労するのであろうか?イスラエルとパレスチナの紛争の政治性は理解している:その点は議論の余地があり、しばしば歪曲され、誇張もされている。しかし、国際法の規則は非常に明確であり、議論の余地はないはずだ。

今週、東エルサレムのシェイク・ジャラ地区に住む500人のパレスチナ人が、アラブ世界ではなく、国際刑事裁判所(ICC)に訴えを起こすことを余儀なくされた。世界最強の国家であるイスラエルとアメリカの両国に脅かされながらも、国際刑事裁判所(ICC)は占領地におけるイスラエルの戦争犯罪の可能性についての調査を進めている。ICCが調査しているのは、イスラエル側のブルドーザーが、パレスチナ人の家を破壊してきた行為の是非をイスラエルに問うものだ。

パレスチナ人の控訴人は28家族を代表しており、イスラエル軍が意図的に人種差別的な方法で彼らを家から追い出そうとしていると主張している。イスラエルのブルドーザーは、慎重でありながら着実に、5月2日には4家族、8月1日までにさらに3家族を立ち退かせ、対象者全員を路上に放り出す予定だ。

こうして家から放り出される人たちへの支持が広がらないのは何故であろうか。世界は、アメリカの白人警察官によるアフリカ系アメリカ人の公民権侵害を声高に非難している。パレスチナ人、アラブ人、イスラム教徒の活動家たちは、ジョージ・フロイドの家族との連帯を宣言し、彼の死後に起こった一連の抗議行動を支持している。しかし、イスラエルに住むパレスチナ人を支援する声はほとんど聞こえず、沈黙が広がるばかりだ。

確かに、およそ190ものアラブ・イスラム系団体が住民からの手紙に共同署名したが、それだけでは不十分だ。パレスチナ人の懸念は、最も優先的に取り扱われるべき事柄だ。しかし、そうはなっていない。手紙に署名して連帯を表明するのは簡単だが、イスラエルの継続的な犯罪行為に世界の関心を向けるのは極めて難しい。

イスラエルは、対象のパレスチナ人家族を立ち退かせて、国家には保護されているが、世界からは無視されてきたイスラエルのユダヤ人入植者に置き換えようとしている。イスラエルの入植者運動は、キリスト教徒やイスラム教徒から土地を盗み、ユダヤ人専用の入植地を建設し、そうして盗んだ土地を守るために暴力を用いている。

シェイク・ジャラ地区のパレスチナ人は何を求めているのだろうか?自らの市民権が守られることだけだ。イスラエルには、彼らが何世代にもわたって占有してきた家々から強制的に彼等を立ち退かせる、国際的に認められた法的権限は何も持たない。しかし、イスラエルはエルサレムからアラブ人を民族的に一掃するために、アメリカとアラブ世界の沈黙によって与えられた政治的な権限を持つ。

イスラエル人がシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人を追い出すことができるなら、中東や北アフリカのどの土地や場所からでもアラブ人を追い出すことができる。イスラエルがこのように無神経に国際法を無視できるのであれば、あらゆる国際法や、他国の政府と交わした協定でさえも無視できるだろう。アラブ諸国の政府は、イスラエルが約束を守り、誓約の原則に違反しないことをどうやって信じるのであろうか。イスラエルの言葉を誰が信じられるだろうか?

最近、アラブ諸国がイスラエルに寛大な処置を施しているので、彼らは何か見返りを求めているのではないかと思うかもしれない。例えば、パレスチナにおける国際的な法の支配を遵守し、それぞれの宗教が最初に始まった土地に住むキリスト教徒やイスラム教徒の市民権や人権を尊重することをイスラエルに求めているのではないだろうかと。

アラブ世界は、平和を受け入れ、ユダヤ人とイスラム教徒の関係を拡大し、平和と理解、協力と尊敬の新しい環境を築くための努力を進めることができ、またそうするべきである。そうすることで、経済を発展させ、人々の生活を強化するための強固な基盤を作ることができる。

イスラエル人がシェイク・ジャラ地区のパレスチナ人を追い出すことができるなら、どんな土地や場所からでもアラブ人を追い出すことができるであろう。

レイ・ハナニア

しかし、この新しい環境が、正義、市民権、国際的な法の支配という基盤の上に築かれていなければ、これらの合意は意味のないレトリックと空約束にすぎないのではないだろうか?アラブ世界は、進んでこの問題に立ち向かい、パレスチナの平和と正義のために訴訟を起こすための強力な基盤として、新たな環境の構築に乗り出す必要があろう。

「相互理解と共存、人間の尊厳と信教の自由を含む自由の尊重」に基づいて構築されるはずのこの新しい環境から、アラブ世界が文字通りの成果を得られないとしたらー実際に試みてから長い時間が経つのであるがーどのような文化が生まれることを期待できるのであろうか。

  • レイ・ハナニアは、数々の賞の受賞歴がある元シカゴ市庁舎の政治記者兼コラムニストである。彼とは個人のウェブサイトwww.Hanania.comまたはツイッターでコンタクトできる。ツイッター:@RayHanania
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