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レバノン政府は間違ったゲーム番組を演じている

イエメンの首都サヌアの看板には、フーシ派の「戦争犯罪」を擁護することで、イランが支援するテロ民兵フーシ派にとっての英雄となったレバノンのジョージ・クルダヒ情報相の肖像が描かれている。(AFP写真)
イエメンの首都サヌアの看板には、フーシ派の「戦争犯罪」を擁護することで、イランが支援するテロ民兵フーシ派にとっての英雄となったレバノンのジョージ・クルダヒ情報相の肖像が描かれている。(AFP写真)
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01 Nov 2021 07:11:19 GMT9
ファイサル・アッバス
01 Nov 2021 07:11:19 GMT9

サウジアラビアがレバノン大使を召還した後、単なる言葉に過敏に反応したのではないかとの指摘が一部あった。これは事実に反することではない。

サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相が述べたように、イランが支援するイエメンの武装勢力、フーシ派を支持するレバノンのジョージ・クルダヒ情報相の発言は、レバノンの根本的な問題が表面化したにすぎない。その根本的な問題とは、レバノンの事実上の支配者であるヒズボラによるレバノンの支配であり、それは非常に長い間続いてきた。

クルダヒ自身は関係のない存在だ。クルダヒ氏のメディアにおける全盛期は、サウジアラビア資本の中東有数の有名な放送局『MBC』に入社してから始まったことを忘れてはならない。彼が最も有名となったのは、人気クイズ番組『クイズ$ミリオネア』(Who Wants to Be a Millionaire?)のアラビア語版の司会となったことであった。大臣職に就いた今でも、クルダヒ氏の能力は、テレプロンプターに表示された他人が書いた台本を読むことに限られている。今回の場合、その台本はヒズボラによって書かれたものだ。

だからこそ、イエメン内戦に関するクルダヒ氏の不正確な発言は驚くべきことではない。しかし驚くべきは、彼の発言に対するナジーブ・ミカティ政権の対応の弱さだった。

サウジアラビアがレバノン政府に求める「行ってほしいことリスト」は、一部の人々が想像しているようなものではない。サウジアラビアには、レバノンの閣僚に言葉遣いを注意するよう求める「中央管理室」のような役割をする気はない。必要とされているのは、サウジアラビアの民間人をミサイルやドローンで標的にしているフーシ派をヒズボラが支援するのを止めるとともに、ヒズボラによるサウジアラビアへの不正な麻薬取引を阻止することができる、強力なレバノン政府の存在である。ヒズボラによるサウジアラビアへの不正な麻薬取引に対するサウジアラビアの対応は、レバノンからの輸入を全面的に禁止するというものだったが、代わりにどのような選択肢があっただろうか。これらの麻薬は、果物や穀物などの一見何の変哲もない荷物に紛れてレバノンからサウジアラビアに密輸されていた。もし、レバノン当局がこの卑劣な麻薬取引を根本から止めることができないのであれば、サウジアラビアは自ら予防措置を取るしかない。

しかし驚くべきは、彼の発言に対するナジーブ・ミカティ政権の対応の弱さだった。

 ファイサル・J・アッバス

レバノン政府については、不正確で無責任な発言により国益を損ねた頑固で経験の浅い大臣を首相が解任できないのであれば、このようなリーダーや政府に何の期待が持てるだろうか。ミカティ首相は就任当初、アラブ諸国との関係回復を公約に掲げたが、アラブ諸国、特にサウジアラビアが求めているのは、言葉ではなく行動である。(言葉だけであれば、少なくともジョージ・クルダヒ氏の言葉よりは慎重に選ぶべきだろう)

また、サウジアラビアは弱体化したレバノンを相手に強硬手段に出ているのであり、サウジアラビアがレバノンの兄弟を支援したいのであれば、無条件にレバノンを支援すべきだという批判もある。また、それは事実とはかけ離れた妄想である。サルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)は、2020年8月に発生したベイルート港の爆発事故の際に、いち早くレバノンに援助物資を送った。アラブニュースのヌール・ヌガリ氏がこの件について記録し報じている。 さらにサウジアラビアは、同国に駐在するレバノン人を国外追放する意図がないことを明確にしている。サウジアラビアに駐在するレバノン人は、サウジアラビアにもたらす才能、勤勉さ、そしてその専門知識を評価され続けている。しかし、テロ組織がサウジアラビアの民間人を攻撃し、同国のインフラを標的にし、同国空港を爆撃しているときに、批評家らは、サウジアラビアが、いや、いかなる国であっても、テロ組織を積極的に支援する大臣を擁する政府を支持することを真剣に期待しているのだろうか。

はっきりさせておこう。レバノンの苦境の原因はサウジアラビアではなく、ヒズボラである。サウジアラビアはレバノンのラフィク・ハリーリ元首相を暗殺したり、ベイルートを占領したり、民間の港に爆発物を保管したりしていない。これらはすべてヒズボラがやったことである。もし、レバノンの政治家らがこれらの真実を直視することができないのであれば、彼らにできることは、この悲しい現実をクルダヒ情報相に説得することくらいではないだろうか。その悲しい現実とは、クルダヒ氏のクイズ番組『クイズ$ミリオネア』の日々は終わり、彼が一員となっているレバノン政府は、外部の力によって操作され、乗っ取られ、支配されており、今や一番弱い鎖、『ザ・ウィーケスト・リンク (The Weakest Link) 』となっている、ということだ。

・ファイサル・J・アッバス氏は、アラブニュースの編集長である。

Twitter: @FaisalJAbbas

 

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