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イランはこの機に湾岸諸国とパートナーシップを築くべき

2022年7月16日、サウジアラビアのジェッダで開催された「ジェッダ安全保障・開発サミット」に出席したムハンマド・ビン・サルマン皇太子。(ロイター)
2022年7月16日、サウジアラビアのジェッダで開催された「ジェッダ安全保障・開発サミット」に出席したムハンマド・ビン・サルマン皇太子。(ロイター)
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22 Jul 2022 04:07:35 GMT9

今週のジェッダ安全保障・開発サミットの開会式で、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子は次のように述べた。「我々は、イランが、国際的な法規範の原理と他国の内政への不干渉を守り、国際原子力機関に協力して義務を履行し、宗教的・文化的なつながりのある隣国としてこの地域の国々と協力することを呼びかける」と。彼の演説のこの部分は、周辺諸国、特にイラン政権との関係という観点からサウジの外交政策を理解するための主要なポイントである。

多くの観測筋の予想に反して、サウジアラビアはジェッダ・サミットをイランに戦争を仕掛けるためのプラットフォームとして利用することはなかった。それどころか、皇太子の演説は平和のメッセージであった。彼は、「イランが湾岸諸国共通のビジョンの一部となって、水路やエネルギー源の安全を確保に協力し、テロや麻薬密売、ロシア・ウクライナ戦争の影響、経済インフレ、サプライチェーンの混乱、食糧確保や疫病の問題にも共に立ち向かうことを望んでいる。 これらはサウジアラビアにとって非常に重要な問題であり、したがって、サウジアラビアはイラン政権との恒久的で安定した関係のための確固たる基盤を見いだすことを真剣に望んでいるのである」と述べた

さらに、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相は、ジッダ・サミットでイスラエルを含む「アラブNATO」設立の構想は出なかったと明言し、米国とイスラエルを警戒するイラン政権に安心感を与えるメッセージを発した。 「サウジアラビアの手は国境正常化を求めてイランに差し伸べられている」と彼は述べた。さらに、「しかし、我々はまだ理解に至っておらず、サウジアラビアはイランとの前向きな相互理解を目指している」また、「イランの活動には懸念がある 」とも指摘した。

ファイサル王子が言及した懸念は、イランの核開発計画に関するものだ。イランが将来的に核問題について合意することは湾岸諸国にとって非常に重要であるため、「イランが核プログラムに関する合意について外交の道を選ぶ」ことを期待した。 湾岸諸国は、安全保障上の懸念に取り組むと共に、イスラム革命防衛隊のイエメンのフーシ派やイラク、レバノン、シリアの武装民兵への支援の継続を許さない合意を望んでいる。

サウジアラビアとイランの協議は、イラクの後援と、サウジアラビアとイランの関係が回復すればイラクとアラブ湾岸の安定が保証されると考えるアル・カディミ首相の個人的な支援のもと、これまでに5回行われている。それはまた、イラクの制度整備の大きな障害と彼が考えている武装民兵の脅威を軽減することも可能にする。

アル・カディミ首相は、イスラム革命防衛隊がカタイブ・ヒズボラ、ハラカト・ヒズボラ・アルヌジャバ、イマーム・アリ大隊などの武装組織への支援という方法でイラクの近代的・市民的国家の建設に貢献することはないと確信している。 そのどころか、それは湾岸アラブ諸国と対立する勢力の訓練の場、シリアやレバノンへの武器密輸の玄関口、マネーロンダリングの舞台、サウジアラビアや他のアラブ諸国のエネルギー源に対するドローン発射の基地にすることを望んでいるのだ。

これらの民兵の中には、イランから直接命令を受けているものもあれば、ある程度独立して活動しているものもある。また、制御不能となり、カチューシャ・ロケットの発射に長けた小規模な武力組織も存在する。 これらの武装勢力は、背後に誰がいるのか、何を目指しているのか、次に何をしでかすのかが正確にはわからないため、実に危険な存在である。もしサウジアラビアとイランの和解が実現すれば、アル・カディミ首相はイランに圧力をかけて、こうした手に負えない民兵の法的保護を解除させ、できるだけ少ない犠牲で彼らを一掃できるだろう。

現在、アラブ湾岸諸国、イラク、エジプト、ヨルダンの間には、いくつかの共通点がある。アラブの穏健派を代表するこれらの国々は、地域の安全保障と平和について明確なビジョンを持っている。イランが彼らと完全に融合することは容易ではないが、信頼と協力関係を構築するためにイランは多くの共通点を見出すことができるだろう。

その第一歩は、近隣諸国の尊重、他国の内政への不干渉、陰謀の停止であろう。これらの一般的なガイドラインをイラン政権が守れば、サウジアラビアや他の湾岸諸国はイランの国際的孤立を緩和し、経済的、社会的、発展的、政治的にイランに対して門戸を開くことができるようになるだろう。この関係が発展すれば、イラン国民の利益となり、制裁やインフレで大きな打撃を受けているイラン経済の問題も軽減できる。

サウジアラビアは、イラン政権との恒久的で安定した関係のための強固な基盤を見出したいと真剣に考えている。

ハッサン・アル・ムスタファ

イランの政治家は、「革命の輸出」戦略の一環として、戦争と民兵のネットワーク構築に多くの費用を費やしてきたが、これは終わらせなければならないイデオロギー的発想である。イラン政権は、国家の建設と国民の福祉、安全、安定にこそ心を砕くべきである。

地域諸国との真の競争は、軍拡競争やメディアの報道合戦や代理戦争ではなく、一方では二国間協力、他方では開発、技術、産業、教育、近代化における自然な競争を通じて行われるべきなのである。イランはジェッダ・サミットのメッセージを新たに冷静に読み取り、支配欲ではなくパートナーシップの論理に基づいた協議に回帰することができるだろうか。

ハッサン・アル・ムスタファ氏は、イスラム運動、宗教的言説の発展、湾岸協力会議諸国とイランの関係に関心を持つサウジアラビアの作家・研究者である。ツイッター: @Halmustafa

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