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サウジアラビア、GAVIワクチン・サミットで1億5,000万ドルの寄付を表明

サウジアラビアは4日、GAVIワクチン・アライアンスに1億5,000万ドルの資金拠出を表明(サウジアラビア外相のツイッターから)
サウジアラビアは4日、GAVIワクチン・アライアンスに1億5,000万ドルの資金拠出を表明(サウジアラビア外相のツイッターから)
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05 Jun 2020 01:06:25 GMT9
05 Jun 2020 01:06:25 GMT9
  • 各国首脳が、新型コロナウイルスのワクチン開発・普及に向けてビル・ゲーツ氏が開催したオンライン会議に参加
  • サウジアラビアは3月にウイルスに対する国際的取り組みに5億ドルを寄付すると発表していた

Arab News

ロンドン:GAVIワクチン・アライアンスがロンドンで開催したグローバル・ワクチン・サミット2020にて、サウジアラビアも資金拠出を担うことで各国に賛同した。

今回のサミットは初めてオンラインで行われ、コロナウイルス感染症の脅威、そして世界の大半を閉鎖に追い込み、38万人以上の命を奪ったパンデミックの原因であるウイルスのワクチン開発が中心の議題となった。

サミットは、4月にコロナウイルス感染症で入院し、その後完全に回復したボリス・ジョンソン英首相の簡単なスピーチで幕が開かれた。

また、世界保健機関のテドロス・アダノム事務局長、アフリカ連合のムーサ・ファキ委員会委員長、国連のアントニオ・グテーレス事務総長も開会の言葉を述べた。

GAVIの取り組みに1億5,000ドルの資金拠出を表明したサウジアラビアからは、ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード外相が代表として出席し、サミットの開催について、サルマーン国王に代わって英国政府とジョンソン首相に感謝を伝えた。また、「エピデミックの危険」を減らし、人命を救うというGAVIの「高潔な」活動を称えた。

「私たちはこれまで以上に団結する必要があります」とファイサル皇太子はサミットで訴えた。「サウジアラビアは2016年にGAVIの活動とその使命を支援するため、2,500万ドルを寄付しました。私は、人の健康を守ることが王国の最優先事項であるというサルマーン国王の言葉を繰り返し隊と思います。」

「イスラム教、そして人道主義の価値観に基づき、サウジアラビアは過去30年間にわたり、860億ドルを拠出しました。この資金は、81か国における人々の生活・医療向上を支えてきました」と述べた。さらに、「今年3月、サウジアラビアはG20で『Extraordinary Virtual Leaders Summit』の開催を呼びかけ、コロナウイルス拡大への国際的な取り組みの連携を進めました」と加えた。

ファイサル皇太子はまた、王国は世界のコロナウイルス対策への資金拠出も先導していることに言及し、「同サミットの開催中、サウジアラビアはウイルス拡大防止と緊急時に向けた準備・対応強化に50億ドル寄付することを発表しました。このうち、GAVIアライアンスの素晴らしい努力を支援するべき、1億5,000万ドルがワクチンと予防接種に充てられます」と話した。

「未来の世代が安定と繁栄を実現するため、人間の命を守るという尊い目的に貢献し、支援することは、私たちの連帯責任です。」

ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団から多額の援助を受けているGAVIは、コロナウイルスの出現でますます必要性が高まった積極的なワクチンプログラムを通した、世界的な公衆衛生の改善に向け、各国政府や機関から74億ドル以上の資金調達を目指している。

サミットではフランス、日本、カナダなど世界中の首脳が演説を行った。ドナルド・トランプ米大統領はGAVIの成功を祈るという録画された短いメッセージを送り、一方ビル・ゲーツ氏はコロナ危機により国際社会は行動を起こすことを余儀なくされたという内容のスピーチを行った。

「私たちは今、歴史の中で非常にユニークな時代にいます。ワクチンの重要性を人々がこれほど認識したことは、今までありません」とゲイツ氏は話した。

「コロナウイルスのワクチン開発を急ぐ中、私たちは今ある、命を救えるワクチンを、地球上の全ての子供たち全員に行き渡させるというコミットメントも改めて誓う必要があります。それこそが、GAVIとそのパートナーがこの20年間行ってきたことです。GAVIの資金補充に協力するというのは、ワクチンで予防できる病気によって命を落とす子供が1人もいなくなるまで努力を続けるということです。」

ゲイツ氏はさらに、「創立以来、GAVIの支援により2億5千万人以上のこどもが予防接種を受けられました。GAVIには意欲を持った研究者が集まっていて、新しいワクチンを広く普及させています。そして今、GAVIはさらに1歩踏み出し、コロナウイルスのワクチンが開発され次第、それを普及させ、パンデミックを可及的速やかに終息させるつもりです。もしGAVIが存在していなかったら、危機の解決に向けてこのような団体を作らなければなりませんでした。」

中東からサミットで資金拠出を表明した国はサウジアラビアだけではない。ヨルダンのアブドゥッラー国王もアンマンから会議に参加し、国際社会はコロナウイルス対策において、いかなる国も置き去りにしてはならないと注意を促し、特に紛争などで住む場所を追い出された人々など、立場の弱い者を守る必要があると主張した。

アブドゥッラー国王は、「もっとも立場の弱い人が置き去りにならないようにすることは、国際社会としての私たちの責任です」としたうえで、「私の住む地域では、多くの人が国内避難民、または難民として生活しています。ヨルダンだけでも130万人のシリア難民を抱えています。彼らにヨルダン人と同じケアを与えることは、私たちにとって非常に重要です」と訴えた。

UAEのリーム・アル・ハシミ国際協力相は、「時を得た」サミットの開催と、世界中で人々の生活を向上させてきたその歴史を称え、ワクチンを普及させ、金銭的な理由で医療ケアを受けられない人々がアクセスできるようにしていることを高く評価した

「私たちはこれまで以上にGAVIが担う必要不可欠な役割を認識しています」、「UAEとGAVIは長年にわたり強力なパートナーとして連携してきました。この場をお借りして、次の世代を病気から解放し、より健康で繁栄した世界の創造に向けたわが国のコミットメントを改めて表明いたします」とアル・ハシミ氏は述べた。

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